3 | レオナルド・フィオラバンティ |
2008年12月、約50年ぶりとなるワンオフ・フェラーリが復活した。クルマの名称は『SP1』、オーナーは平松潤一郎(フェラーリクラブ・ジャパン元会長)だ。オーダーメイド・フェラーリという夢の実現に向けてのきっかけとなる出来事は03年に遡る。
ピニンファリーナの元デザインディレクターで現在は自身のスタジオを主宰するレオナルド・フィオラバンティが仕事で来日し、名古屋の平松を訪ねた。カーデザイナー志望であった平松は、以前からフィオラバンティの才能を評価しており親交があったのだ。
このとき歓迎のディナーの席で、フィオラバンティから世界に1台だけのフェラーリを作ろうじゃないかという話が出た。最初は漠然とした夢の話と捉えていた平松であったが、数年後ジウジァーロがイタルデザイン50周年記念にフェラーリ『GG50』を発表し、ザガートからはフェラーリ『575GTZ』が作られ、彼はついに決心をした。そして夢を実現するための行動に出たのであった。