JALがバイオ・フライトを実施

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JALがバイオ・フライトを実施
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日本航空(JAL)は機体メーカーのボーイング、エンジンメーカーのプラット・アンド・ホイットニーと共同で30日、羽田空港にある同社の整備センターと宮城県仙台沖の太平洋上空において、植物性燃料=バイオ・ジェット燃料を使った実証実験を行なった。

植物性燃料は、地球温暖化防止となる排出ガスのCO2削減と燃油代高騰に伴う運航コスト上昇を防ぐ意味で注目されている。

日本国内で初、アジアでも最初のバイオ・フライトとなるJALの実験では、米国北部や中央アジアなどの温暖な気候帯で成育する「カメリナ(84%)」をはじめ、「ジャトロファ(15%)」、「藻(1%)の混合バイオ・ジェット燃料を採用、B747-300の右側第3エンジン用に用いる。従来はランプ油とか化粧品等に使用されてきたこれらの油脂を燃料として使用するのは、世界で初めてとなる。

バイオ・フライトの主な調査目的は、運航中のエンジン性能の確認(燃費性能と排ガスの温度など)、通常の飛行高度である約1万メートル(3万5000フィート)の高高度におけるエンジンの加速・減速性能の確認、空中で当該エンジンを停止・再始動の確認、となっている。

約1時間半のフライトから戻ったパイロットのコメントによれば、前記の調査項目が無事に確認できた。またボーイング・ジャパンのパイアセキ社長は「日本航空の実証テストを無事に済ませることができ、バイオ燃料が世界の航空会社に拡大することを証明した。今回バイオ燃料を使用したのは搭載機の中の1エンジンのみだったが、今後は全てのエンジンでのテストも拡大するだろう」と評価する。

“バイオ・フライト”は、2008年2月のヴァージンアトランティック航空が世界で最初。同社保有機であるB747-400に搭載のGE製エンジンに、ババスとココナツを原料にしたバイオ燃料(従来のジェット燃料との混合比は20:80)でフライトが可能であることを実証している。

さらに同年12月、ニュージランド航空(B747-400+ロールスロイス製エンジン)がジャトロファを原料にしたバイオ燃料(従来のジェット燃料との割合は50:50)を用いて、09年1月7日にコンチネンタル航空(B737-800+CFMI製エンジン)がジャトロファと藻を原料にしたバイオ燃料(従来のジェット燃料との割合は50:50)を用いて、それぞれバイオ・フライトを実施している。

《浜田拓郎》

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