メルセデスベンツ Eクラス 新型…早くもクーペ登場

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メルセデスベンツ Eクラス 新型…早くもクーペ登場
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ダイムラーは17日、メルセデスベンツの新型『Eクラスクーペ』を発表した。現行『CLK』の後継車種に当たるエレガントな2ドアクーペだ。

Eクラスのクーペは、1985‐95年の「C124」型を最後に、メルセデスのラインナップから消滅していた。代わって97年に投入されたのが『Cクラス』ベースの2ドアクーペ、CLK(C208型)。2002年にはモデルチェンジを受けて「C209」型となるが、CLKはセールス的には成功したとはいえない。

そこで、ダイムラーは再びEクラスにクーペを投入。1月のデトロイトモーターショーで発表した新型『Eクラスセダン』のシャシーをベースに、伸びやかなフォルムを持つ2ドアクーペを開発した。空気抵抗係数を示すCd値は0.24と、新型Eクラスセダンや新型トヨタ『プリウス』の0.25を上回る、世界トップレベルを達成している。

フロントマスクはスリーポインテッドスターがセダンとは異なり、グリルに配置されるのが特徴。サイドビューはBピラーレスのデザインで、窓を開けた際には抜群の開放感が得られる。ボリュームたっぷりのリアフェンダーは1955年式「S220」の“ポントゥーン”フェンダーがモチーフ。ヘッドランプやテールランプはEクラスセダンと共通イメージだが、実はボディは専用設計されている。

新型のボディが専用設計という事実は、ボディサイズを見るとよくわかる。Eクラスクーペのボディサイズは、全長4696×全幅1786×全高1392mm、ホイールベース2758mm。Eクラスセダンと比較すると、172mm短く、68mm狭く、78mm低い。ホイールベースは112mm短い。現行CLKとの比較では、新型Eクラスクーペは46mmロング&ワイドで、15mm低く、ホイールベースは43mm長くなった。つまり、新型Eクラスクーペのボディサイズは、現行CLKと新型Eクラスセダンの中間に位置しているわけだ。

エンジンはEクラスセダンと共通で、V8ガソリンを除いてすべて直噴となる。ガソリンは「E250CDI」が1.8リットル直4ターボ(204ps、31.6kgm)、「E350CGI」が3.5リットルV6(292ps、37.2kgm)、「E500」が5.5リットルV8(387ps、54kgm)。ディーゼルは「E250CDI」が2.2リットル直4ツインターボ(204ps、51kgm)、「E350CDI」が3.0リットルV6ターボ(231ps、55.1kgm)となる。

ガソリンV8のE500を除いて、燃費性能を追求した「ブルーエフィシエンシィパッケージ」が標準装備。とくに2.2リットル直4ツインターボディーゼルのE250CDIは、欧州複合モード燃費18.9km/リットルの低燃費と、CO2排出量139g/kmという環境性能が売りとなる。また、ディーゼルはすべてEU5規制をクリアしている。

安全装備もEクラスセダンと同様で、「スピードリミットアシスト」、「レーンキーピングアシスト」、「アダプティブメインビームアシスト」、「アテンションアシスト」、「ブラインドスポットアシスト」などの先進装備が導入される。

足回りは走行状況に応じてダンパーの減衰力を自動調整する「アジリティコントロール」を標準装備。オプションの「ダイナミックハンドリングパッケージ」を装着すると、ボタン操作によりコンフォート、スポーツの2モードが切り替えでき、サスペンションの硬さ、アクセルレスポンス、ATのシフトプログラムなどが変化する。

インテリアはATシフトの位置が、セダンとの大きな違いになる。セダンのシフトは新型からステアリングコラムに移動したが、クーペはフロアシフトのままだ。また、前席にスポーツシートが装備されるのもセダンとの違い。4段階のランバーサポートを始め、すべてパワー調整となる。インパネもクーペ専用設計だ。

後席が独立2名がけとなるのもセダンとの相違点。現行CLKと比較して、前後シートバック間の距離は+10mmの789mm、前席ひじ回りの空間は49mm拡大するなど、室内のゆとりが向上している。また、セダンと同様に「アバンギャルド」、「エレガンス」の2トリムが用意され、「AMGスポーツパッケージ」も設定される。

新型Eクラスクーペは、3月3日に開幕するジュネーブモーターショーで正式発表された後、欧州では5月に販売開始。価格はジュネーブで明らかになるが、Eクラスセダンよりもやや高めになる見込み。アウディ『A5』やBMW『3シリーズクーペ』などのライバルに対して、車格をワンランク引き上げた点は、新型Eクラスクーペのアドバンテージとなりそうだ。

《森脇稔》

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