東京ガスの水素製造---世界最高水準の高効率とCO2半減

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東京ガスの水素製造---世界最高水準の高効率とCO2半減
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東京ガスは12日、水素製造時におけるCO2分離回収の実証試験で、化石燃料からの水素製造では世界最高水準である約80%の製造効率を保ちながら、CO2排出量を従来の約半分に削減することが可能なことを確認したと発表した。

この技術は、既存の都市ガスパイプラインを活用して、CO2の排出を抑えながら水素を製造する技術。
 
東京ガスは、JHFC千住水素ステーション(東京都荒川区)内で、燃料電池自動車向け水素ステーション用の高効率水素製造装置の開発実証を行っている。この水素製造装置にCO2分離回収装置を接続し、水素製造時に発生するCO2を分離回収する実証試験を行っている。
 
得られた試験データを分析した結果、CO2分離回収にともなうエネルギー損失を約3%にとどめ、世界最高水準である約80%の水素製造効率を維持しながら、水素製造時のCO2排出量を約半分に削減することが可能なことが確認できたとしている。
 
実証試験では、水素分離型リフォーマーを使用して都市ガスから水素を製造している。水素分離型リフォーマーは、東京ガスと三菱重工業が共同で2005年度から2007年度の新エネルギー・産業技術総合開発機構の「水素安全利用等基盤技術開発事業」を通じて開発し、化石燃料からの水素製造プロセスで世界最高効率となる水素製造効率81.4%を達成した。水素分離型リフォーマーは、水素製造時に排出される改質オフガス(水素を取り出した後の残りのガス)中に、CO2が70-90%と高濃度に濃縮されるため、CO2の分離回収が容易であるという特徴がある。
 
CO2分離回収装置では、水素分離型リフォーマーから排出される、高濃度のCO2を含んだ改質オフガスを圧縮して冷却することにより、改質オフガス中のCO2を液化し回収している。
 
東京ガスは、今回の実証試験の成果を「ローカル水素ネットワーク」の構築に活かしていく。ローカル水素ネットワークは、CO2を分離・輸送・処理する分散型CCTSをともなう水素ステーションを核として、燃料電池自動車への水素充填のほか、周辺エリアの家庭、オフィス、工場などへのパイプラインでの水素供給を行い、高効率な燃料電池などを利用することにより、大幅なCO2削減を図るもの。

《レスポンス編集部》

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