川崎汽船は、ノルウェーのバイオウッド・ノルウェーAS社とバイオマス燃料として注目される木材ペレットの材料となる木材チップの輸送契約を締結した。契約は2010年12月から長期にわたって川崎汽船のチップ船2隻を専用船として投入し、大西洋域内の積港からノルウェーのAveroy港に向けて木材チップを輸送するというもの。
バイオウッド社は2006年にノルウェーの電力会社であるHafslund社が78%、More og Romsdal Biobrensel社が22%それぞれ出資して設立された会社で、輸入した木材チップを使用して木材ペレットを年間45万t生産し、国内外の電力会社に販売する計画。木材ペレットは燃焼によりCO2を発生するが、樹木の成長過程でCO2が吸収されるため、トータルでみるとCO2の増加にならず、地球温暖化への影響が少ない持続可能なエネルギーとして注目されている。
欧州各国の電力会社ではCO2排出量削減のため、火力発電の燃料の一部に木材チップ・木材ペレットなどのバイオマス燃料を導入する動きが拡がっている。川崎汽船は今後とも環境に貢献度の高い木材バイオマス燃料輸送に力を入れていく方針だ。