三菱重工業は12日、タービン入口温度1600度級で世界最大・最高効率の「J形ガスタービン」の開発を自社の独自技術で完了し、商用化に着手したと発表した。
60Hz送電地域向けでは定格単機出力約32万kW。排ガス熱発電を組み合せたコンバインドサイクル(CC)出力は約46万kWで世界最大容量、熱効率は世界最高水準の60%以上を目指す。2011年中の出荷案件からの商談に対応する。
J形は、既存の1500度級G形と比べ100度の温度上昇に耐えられるよう遮熱コーティング技術と冷却効率を改善した。改良型三次元設計の採用により空力性能も改善した。
具体的には、圧縮機は圧力比を高めた設計とし、燃焼器はG形で開発した蒸気冷却技術を応用した。タービン部はG形の設計をベースに、1700度級ガスタービン要素技術の開発を目指す国家プロジェクトにおける研究成果のうち、これまでに実用化のめどが立った技術を採用している。発電端熱効率60%以上は現状でも世界最高レベル。