英国プロドライブ社は19日、マーカス・グロンホルム選手用のスバル『インプレッサWRC』を完成させた。このインプレッサでグロンホルム選手は、4月のラリーポルトガルで1回限りのWRC復帰を果たす。
フィンランド出身のグロンホルム選手はプジョーを駆り、2000年と02年、2度の王者に輝くなど、WRCで通算30勝を上げた。06年にはフォードに移籍。しかし、07年シーズンをもって引退し、その後は若手ドライバーの育成などに当たっていた。
グロンホルム選手にとってアンラッキーだったのは、スバルのWRC撤退。実はグロンホルム選手、09年シーズンはスバルからWRCに参戦するとの噂があったのだ。スバルのWRC撤退により、この話は立ち消えになったといわれる。
しかし、英国プロドライブ社は、グロンホルム選手用のマシンを独自開発。スポンサーの支援もあって、グロンホルム選手は1回限りのWRC復帰をポルトガルで実現させることとなった。
プロドライブが製作したマシンは、インプレッサWRCの08年シーズン仕様がベース。昨年、ペター・ソルベルグ選手がウェールズラリーで使用したマシンだ。スバルが撤退した今となっては、仕方のない選択だろう。
このマシンをベースに、プロドライブがレギュレーションに合う最低限の改造を実施。大きな変更点はオーリンズ製のダンパーが採用されている点だ。プロドライブは「グロンホルム選手は豊富なキャリアを持っている。このインプレッサにもすぐ慣れるだろう」とコメントしている。
すでに、グロンホルム選手はノルウェーでこのインプレッサをテスト。復帰に向け、確かな手ごたえをつかんだ様子だ。4月のポルトガルでは「フライングフィン」が復活を遂げるか、注目したい。