マツダ i-STOP に乗ってみた!…燃費改善効果を高めた量産型

自動車 ニューモデル 新型車
マツダ i-STOP に乗ってみた!…燃費改善効果を高めた量産型
マツダ i-STOP に乗ってみた!…燃費改善効果を高めた量産型 全 12 枚 拡大写真

マツダの新世代アイドリングストップシステム「i-STOP(アイストップ)」。直噴エンジンの4つのシリンダーの中から膨張行程にあるものを検出し、そこに燃料を吹き込んで着火させ、素早くアイドリングに復帰させるというものだ。

このシステムのプロトタイプがお披露目されたのは、2007年の東京モーターショー。そのときはセルモーターをまったく使わずに再始動できることを売りにしていたが、アイストップは補助的ながらセルモーターを使う方式に変更された。

これはシステム的には退歩ではないのかと思われたが、開発者の猿渡健一郎氏はそうではないという。

「セルを使わずに始動させるシステムも作ることはできます。ただ、モーターショーで公開した方式の場合、シリンダー内の燃圧を使って再始動させるのにピストンの停止位置を高精度に制御する必要がありました。そのためにアイドリングストップ直前に1200rpmほどにエンジン回転をブリッピングさせたりしていたのですが、エンジン回転を上昇させるために燃料を余計に使ってしまうなど、本末転倒の部分も出てきたのです」

「ピストンの停止位置をそこまで高精度に制御せず、セルモーターで軽くクランキングさせる方式のほうが、燃費改善効果は高かった。もちろんバッテリー負荷は通常のアイドリングストップ車よりずっと小さいのは言うまでもありません」

セルモーターをまったく使わないというスマートアイドリングは、システムとしては非常に“カッコイイ”ものがあった。が、実際にはこの量産型アイストップのほうが燃費削減効果が高く、始動も確実で実用的なのだというのだ。

退歩ではなく、進化ゆえのセルモーター併用だったのである。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. トヨタ『ハリアー』6年ぶりのフルモデルチェンジへ…注目ニュースベスト5 2025年上期
  2. そのホイール、何年使ってる? 知られざるアルミホイールの寿命と見極め術~カスタムHOW TO~
  3. 背もたれに貼り付いた子どもたちの頭髪に…学術集会で議論された「ジュニアシートの適正使用」【岩貞るみこの人道車医】
  4. トヨタ『ハリアー』6年ぶりのフルモデルチェンジへ...ワイド&ローのフォルムに注目だ!
  5. 「昭和のオート三輪風に…」ソーラーパネル搭載3輪EV『スリールオータ』に注目!「なんか可愛い」とデザインを評価する声も
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る