【日産 GT-R スペックV 試乗】エイペックスを突き刺すフットワーク…木下隆之

試乗記 国産車
【日産 GT-R スペックV 試乗】エイペックスを突き刺すフットワーク…木下隆之
【日産 GT-R スペックV 試乗】エイペックスを突き刺すフットワーク…木下隆之 全 5 枚 拡大写真

そもそも世界レベルのパフォーマンスを備えているというのに『GT-R』は、さらに貪欲に速さを求めるという。「スペックV」がそれだ。

2名乗車になることなどかまうことなく、リアシートを取り払うなどしてまで軽量化を進め、さらに剛性の高いサスペンションを押し込み、ハイギアードブーストというまさに”オーバーテイクスイッチ”的な使い方を許すシステムも組み込んだ。超攻撃的マシンが「スペックV」なのである。

だからサーキットではとびきり速い。09モデルも確実に進化をしているのだが、それと比較しても、仙台ハイランドのラップタイムで約1秒の短縮を実現している。手元計測で1分57秒台を連発した。おそらくニュルブルクリンクでは7分30秒を軽々と切ると思われる。

切れ味の鋭いハンドリングが特徴だ。ボディ重量で60kgのダイエットに成功しているが、体感的にはそれ以上の軽快感がある。特にフロントの反応が俊敏だから、まさにエイペックスを突き刺すようなフットワークが得られるのだ。

ゴツゴツした硬い乗り味を予想していたのだが、サーキットではむしろしなやかに路面を舐めるような感覚だった。カーポンブレーキも効きも秀逸。強い力で締めこむような感覚であり、連続アタックでも効きが衰えない。そこに大きなメリットがある。国内最速のマシンは、ポルシェや『コルベット』と世界と対等に勝負する権利を得たといえる。
 
■5つ星評価
パッケージング:★★
インテリア/居住性:★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★

木下隆之|モータージャーナリスト
プロレーシングドライバーにして、大のクルマ好き。全日本GT選手権を始め、海外のレースでも大活躍。一方でカー・オブ・ザ・イヤー選考委員歴は長い。『ジェイズな奴ら』を上梓するなど、作家の肩書きも。

《木下隆之》

木下隆之

学生時代からモータースポーツをはじめ、出版社・編集部勤務を経て独立。クルマ好きの感動、思いを読者に伝えようとする。短編小説『ジェイズな奴ら』も上梓。日本・カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。「心躍るモデルに高得点を与えるつもり」。海外レース経験も豊富で、ライフワークとしているニュルブルクリンク24時間レースにおいては、日本人最高位(総合5位)と最多出場記録を更新中。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 新型アウディ『Q3』のインテリアを公開、「コラム式シフト」と新デジタルコックピットが目玉に
  2. 21車種・64万台超、トヨタ自動車の大規模リコールに注目集まる…7月掲載のリコール記事ランキング
  3. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
  4. 2.5Lエンジンを搭載する『インプレッサ』登場、米2026年モデルに「RS」
  5. シボレー『コルベット』がニュルブルクリンクで「米国メーカー最速ラップ」樹立
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. 湘南から走り出した車、フェアレディZやエルグランド…日産車体が量産終了へ
ランキングをもっと見る