欧州新車販売、ドイツが補助金効果で39.9%増…3月実績

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欧州新車販売、ドイツが補助金効果で39.9%増…3月実績
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ACEA(欧州自動車工業会)は16日、3月の欧州全域(EU+EFTA全28か国)の新車販売結果を公表した。総販売台数は150万6249台で、前年同月比は9%減。11か月連続の前年割れだが、1月の27%減、2月の18.3%減と比べると、かなり持ち直してきた。

3月新車販売が回復した要因として、ディーラー稼働日が前年よりも平均して3日多かった点が挙げられる。しかし、それにも増して大きいのは、旧車から低公害車に代替する際に支給される補助金、「スクラップインセンティブ」の効果だ。

欧州5大市場は、ドイツが驚異的な伸びを見せた。ドイツの3月販売台数は40万0965台で、前年同月比は39.9%増。これは9年以上保有している古い車を、一定の基準を満たした低公害車に代替する際に、最大2500ユーロ(約33万円)を補助するスクラップインセンティブが1月にスタートした効果だ。1-3月累計でも18%増の86万8090台と、ドイツでは新車が売れている。

ドイツと同様の補助金制度を実施しているのが、フランスやイタリア。フランスは前年同月比8%増の20万4018台、イタリアは0.2%増の21万4218台と好調だ。一方、インセンティブのない英国は30.5%減の31万3912台、スペインは38.7%減の7万6503台と明暗が分かれた。

主要9社の販売実績は、1位のフォルクスワーゲングループ(アウディ、セアト、シュコダなどを含む)が、前年同月比0.3%減の30万4257台。しかし、VWブランドが1.6%増の15万6907台、シュコダブランドが10.6%増の5万1481台と、販売は上向いている。

2位のPSAプジョーシトロエンは、前年同月比9.1%減の17万9761台。3位のフォードグループ(ボルボを含む)は7.7%減の16万5811台と、マイナスをひと桁台に抑えた。4位のGMグループ(オペル、シボレー、サーブを含む)は、20.1%減の14万0895台と引き続き不振が続く。

5位のフィアットグループ(ランチアやアルファロメオを含む)は、前年同月比14.3%増の13万7029台。ブランド別では、フィアットが13.3%増の11万4101台、アルファロメオが40.9%増の1万1059台と、地元イタリア市場の回復を受けて伸びている。

6位のルノーグループ(ダチアを含む)は、前年同月比10.9%減の12万3750台。ルノーブランドは15.6%減と落ち込んだが、ダチアブランドは26.7%増の1万9314台と勢いを取り戻した。

7位のトヨタグループ(レクサスを含む)は、前年同月比11.9%減の8万0836台。8位のBMWグループ(MINIを含む)は、20.8%減の7万3904台。9位のダイムラー(メルセデスベンツとスマート)は、14.6%減の7万1531台。これまで好調だったスマートブランドは、1.6%減の9080台とマイナスに転じた。

このほか、日本メーカーでは、ホンダが前年同月比15.5%減の3万5099台、日産が34.6%減の3万0841台、マツダが17.9%減の2万7272台、三菱が31.5%減の1万2019台といずれも苦戦。そんな中、スズキは12.8%増の2万9414台と日本メーカーで唯一、前年実績を上回った。

韓国メーカーでは、ヒュンダイが前年同月比32%増の3万7390台と引き続き好調。3月末まで『i20』『i30』などの主力車種に用意した特別ローンや装備充実プログラムが功を奏した。しかし、キアは8.4%減の2万5084台と不振。また、ジャガー&ランドローバーは38.4%減の1万2122台にとどまった。新型『XF』を中心に2月まで売れていたジャガーブランドも、31.1%減の4010台と後退している。

欧州新車市場は、ドイツ、フランス、イタリアでスクラップインセンティブ効果により、需要が上向いてきた。他の国にも同様の制度が導入される可能性が高そうだ。

《森脇稔》

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