なんという品格、なんという存在感。こんな小さいくせに、ものすごいフェロモン噴出である。大胆なデザインが許されるのはイタリア車ならでは。フロントグリルのアルファ印の似合うことといったら尋常じゃないのだ。
車内は後部座席もふくめて十分広い(すごい)。そしてダッシュボードの表面といい、シートの手触りといい、まさに高級車の風格。これでコンパクトカーなのか? 日本の貧相なコンパクトカー軍団にも、見習ってほしいものである。
6速MTできゅっと走れる気持ちよさは言うまでもないが、DNAシステムといわれるターボのブースとを調節できる装置がイケている。これをダイナミックへとスイッチオンすると、最大トルクが3000回転から押し出され、箱根の山での楽しさが軽く5倍にはねあがる。
ちなみに横滑り防止装置に、ニーエアバッグ、サブマリン防止装置まで標準装備。イタリアのコンパクトをなめるなよ! の勢いにしびれまくりである。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★
岩貞るみこ|モータージャーナリスト/エッセイスト
女性誌や一般誌を中心に活動。イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に精 力的に取材するほか、最近はノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。JAF理事。チャイルドシート指導員。国土交通省 安全基準検討会検討員他、委員を兼任。