ダイムラーは4日、欧州仕様のメルセデスベンツ『Mクラス』『Rクラス』『GLクラス』に、「ブルーテック」を設定した。ブルーテックはもともと米国向けに開発されたクリーンディーゼル。欧州への投入は今回が初めてだ。
ブルーテックは、ダイムラーが推進しているクリーンディーゼルテクノロジー。NOx吸蔵還元触媒や尿素噴射装置をSCR(選択還元触媒)やDPFと組み合わせて、排出ガス中のNOxなどの有害物質を削減するシステムだ。
また、「アドブルー」インジェクションも採用。薄めた尿素を触媒内に噴射することで、NOxとアンモニアを化学反応させ、水と窒素に分解する。ダイムラーによると、ブルーテックとアドブルーインジェクションの組み合わせで、NOxは約80%削減できるという。
ブルーテックは、おもに北米市場をターゲットにしており、2006年10月に先代『Eクラス』のセダンに搭載され、米国へ上陸。2008年9月には『Mクラス』、『Rクラス』、『GLクラス』に拡大設定された。全米50州のディーゼル規制に適合するクリーンな排出ガス性能を実現している。
欧州向けのブルーテックも、基本的には米国仕様と共通。すべて4WDとの組み合わせで、グレード名は「ML350ブルーテック4マチック」「R350ブルーテック4マチック」「GL350ブルーテック4マチック」だ。
3.0リットルV6ターボディーゼルは、最大出力211ps/3400rpm、最大トルク55.1kgm/1600-2400rpmを発生。欧州複合モード燃費はMクラスとRクラスが11.5km/リットル、GLクラスが10.4km/リットルと大型SUVトップクラスだ。排出ガス性能は、MクラスとRクラスが231g/km、GLクラスが239g/km。2014年施行予定のユーロ6基準をクリアしている。
ブルーテックの欧州デリバリーは9月に開始。価格はMクラスが4万8400ユーロ(約637万円)、Rクラスが5万0100ユーロ(約659万円)、GLクラスが6万0850ユーロ(約800万円)だ。
ダイムラーによると、GL350ブルーテック4マチックの場合、3.5リットルV6ガソリン比で、燃料代は20 - 40%節約できるという。ディーゼル人気の高い欧州でも、ブルーテックは支持されそうな予感がする。