横浜ゴムは12日、欧州でのMB(マルチプルビジネス:拡大する事業の意)事業の新拠点として、ドイツ・デュッセルドルフにヨコハマ工業品ヨーロッパ有限会社を設立したと発表した。
新会社の資本金は9万3000ユーロ(約1200万円)で、横浜ゴムが全額出資した。3年後に売上高10億円を見込む。
新会社は、5月から日系建設機械メーカーに高圧ホースの納入を開始する。新たに欧州の協力会社と提携し、現地で高圧ホースと継ぎ手金具とのアセンブリーを行うことで、ジャストインタイムで供給する。すでに横浜ゴムは米国、タイ、中国に高圧ホースと金具のアセンブリー工場を設けており、欧州が4拠点目となる。
また、新会社は、海外販売向けに新開発した国際規格「ISO18752」に適応する高圧ホース「エクシード」による取替え市場での販売にも取り組む。
横浜ゴムは、将来的に新会社を欧州でのMB事業拡大の拠点として拡充する考え。欧州には石油メジャー、大手資源関連会社などが数多くあり、MB商品のビジネスチャンスが多い。また東欧、中央アジア、中東、アフリカなどへのアクセス性にも優れ、これら市場への対応力も向上する。このため高圧ホース以外のMB商品についても、現状の体制を見直すことで、順次これら地域への販売、マーケティング機能を日本から欧州の新拠点に移管していく計画だ。