ソニーは14日、グループ全体において経営体質強化、収益性改善を図るため、国内外の生産オペレーションを見直すと発表した。
国内製造事業所については、これまで複数の事業所にまたがって生産していたが、製品カテゴリーごとに集約することで、より効率的なオペレーションの構築を目指して再編する。
現在、ソニーイーエムシーエスの浜松テックで展開している中小型液晶事業に関する海外事業所に対する支援業務は、ソニーモバイルディスプレイ東浦事業所に移管する。この結果、中小型液晶事業に関する国内の全てのオペレーションは、ソニーモバイルディスプレイに集約される。
また、ソニーイーエムシーエスの幸田テック、美濃加茂テック、小見川テックに展開しているデジタルスチルカメラ、ビデオカメラ、カメラモジュールを主たる製品とするデジタルイメージング事業に関する国内生産を、7月1日付で新設するソニーイーエムシーエス・東海テックに集約する。
東海テックは幸田テック、美濃加茂テックの統合により設立、この統合により重複業務の削減や間接部門の効率化を図る。東海テックは統合する両テックの生産設備を有効活用するため、幸田サイト、美濃加茂サイトの2サイト(工場)を生産拠点として運営する。今回の集約に伴い、小見川テックのカメラモジュール生産を東海テックへ移管する。
ソニーイーエムシーエスの浜松テックで生産している光学ピックアップ事業に関する製造技術開発業務と海外事業所に対する支援業務、小見川テックで展開している光学ピックアップ用レンズ事業での製造技術開発業務と海外事業所に対する支援業務を、ブルーレイディスクレコーダーなどの光ディスク関連製品の製造技術拠点である木更津テックに集約する。
ソニー内における光ディスク関連の技術を集結することで、様々な技術的改善、重複業務の削減によるより効率的なオペレーションをめざすと同時に、製品とデバイスの連携を強化する。
さらにソニーイーエムシーエスの千厩テックと、瑞浪テクノロジーサイトに展開している国内の携帯電話事業に関するカスタマーサービスオペレーション(ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズから委託)を、同じく携帯電話を受託生産しているソニーイーエムシーエスの東海テック美濃加茂サイトへ移管する。これにより、生産オペレーションの効率化を図り、生産からカスタマーサービスまでの一体化したオペレーション体制を構築する。
携帯電話事業に関するオペレーションのソニーイーエムシーエスの東海テックへの移管に加えて、千厩テックで展開しているその他の電子機器生産は、主として木更津テックへ移管する。
これらの再編により、ソニーイーエムシーエスの小見川テック、浜松テック、千厩テックは、2009年12月末で生産活動を終了する予定。