米国新車販売、27.7%減とやや持ち直し…6月実績

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米国新車販売、27.7%減とやや持ち直し…6月実績
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民間調査会社のオートデータ社は1日、6月の米国新車販売の結果を公表した。それによると、総販売台数は85万9847台で、前年同月比は27.7%減と5月の33.7%減から少し回復。しかし、依然として20か月連続の前年実績割れだ。

米国ビッグ3では、首位のGM(サーブを除く)が17万4006台で、前年同月比は33.2%減と5月の28.7%減よりも悪化。フォードは3か月連続でトヨタを上回り、2位の座を維持。ボルボを除いた販売台数は14万7831台で、前年同月比は11.2%減と5月の24.2%減から持ち直した。

早期の経営再建を目指すクライスラーは、ホンダに抜かれて3か月連続の5位。その販売台数は6万8297台で、前年同月比は41.9%減と5月の46.9%減ほどではないが、4割減という厳しい状況である。

日本メーカーのビッグ3では、3位のトヨタが前年同月比31.9%減の13万1654台と、5月の40.7%減と比べて回復の兆し。主力セダンの『カムリ』が39%減の2万6394台、『カローラ』が54.6%減の1万9935台と苦戦中だが、5月下旬にモデルチェンジした『プリウス』は、6.1%増の1万2998台と久しぶりに前年実績を上回った。

クライスラーを抜いて3か月連続4位のホンダは、10万0420台。前年同月比は5月の41.5%減から6月は29.5%減へ、立ち直り傾向にある。しかし、主力の『アコード』が42.1%減の2万3995台、『シビック』が49.7%減の2万0954台と、ともに大幅マイナス。一方、4月に米国市場へ投入された新型『インサイト』は、2079台にとどまった。5月は2780台、4月は2096台と、日本ほどの人気となっていない。

6位の日産は5万8298台で、前年同月比は23.1%減と5月の33.1%減から回復した。特別リースプログラムの効果で、『マキシマ』が71.7%増の4560台と引き続き好調。また、大型ピックアップトラックの『タイタン』が2.4%増の1290台、大型SUVのインフィニティ『QX56』が28.2%増の550台を販売。この2台は在庫一掃セールが行われたもようだ。5月に米国デビューを果たした『キューブ』は2137台と、5月の1745台よりも販売を上乗せした。

ビッグ6に続く7位の定位置をキープしたヒュンダイだが、その販売台数は前年同月比24.2%減の3万7943台と5か月連続のマイナス。失業したら車両を返却すれば残債が免除される新ローン、「アシュランスプログラム」の効果は、完全に息切れした。

8位のキアは前年同月比5.1%減の2万6845台。乗用車系は11.8%減と不振だが、ライトトラック系(SUV/ピックアップトラック/ミニバン)は新型SUV『ボレゴ』が牽引役を果たし、7.3%増の1万0563台と伸びている。

9位のフォルクスワーゲングループ(アウディなどを含む)は、前年同月比15.8%減の2万6719台。10位のBMW(MINIなどを含む)は、20.3%減の2万0878台。11位のスバルは、前年同月比3.4%増の1万8620台で、6月としては過去最高の販売成績。これは新型『レガシィ』が前年同月比28%増の2984台を販売し、乗用車系が5.9%増の1万1746台と伸長したのが大きい。

12位のダイムラー(メルセデスベンツとスマート)は26.5%減の1万6278台。スマートは56.1%減の1116台の大幅減だ。13位のマツダは42.2%減の1万3729台にとどまる。

以下、三菱が41.8%減の4362台、ジャガー&ランドローバーが19.2%減の2875台、スズキが78%減の2149台、ポルシェが66%減の902台。スウェーデン2社は、ボルボが新型『XC60』効果により0.6%増の7042台、サーブは58.4%減の779台と明暗が分かれた。

米国の2009年上半期(1‐6月)販売台数は、前年同期比35.1%減の480万8838台で、中国の今年1‐5月の496万台(前年同期比14%増)を下回る。クライスラーとGMの経営破たんの影響も今後じわじわと現れてくるため、2009年は米国が中国に新車市場世界一の座を明け渡す可能性が濃厚になってきた。

《森脇稔》

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