【レクサス HS250h 発表】保守的なユーザーを取り込むデザイン

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【レクサス HS250h 発表】保守的なユーザーを取り込むデザイン
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トヨタ自動車の高級車チャネル、レクサスブランド初のハイブリッド専用車となる『HS250h』(7月14日発表)。

車両価格は395万円から535万円と、絶対的には高価なモデルではあるが、レクサスのラインナップ中、これまでの最安モデルであった『IS250』の399万円よりわずかに安い395万円と、ボトムレンジを受け持つモデルでもある。ハイブリッド専用車であるという点は、トヨタブランドのハイブリッドカー『プリウス』とも重なる。

もっとも、エクステリアやインテリアは、何から何まで独創性を全面に押し出しているプリウスと比べるとかなり保守的。ハイブリッド専用車ではあるが、エクステリアデザインはトヨタの一連のセダンスタイルを踏襲したもので、プリウスのような強烈なアイコンタクトはない。

「私がレクサスHS250hの主査となったのは05年のことでした。そのときすでに、ミディアムコンパクト系のハイブリッド専用車にするということは決まっていました。プレミアムセダンにふさわしいクルマにするにはどうすればいいか考え抜いた末、3ボックスセダンを基本とし、(レクサスのデザインフィロソフィである)Lフィネスが感じられるように洗練させるという道を選びました」

レクサスHS250hの主査を務めたレクサスセンターの古場博之氏は、斬新さよりは古典的な風合いを重視したボディデザインを採用した理由をこのように語る。同じハイブリッドでも、プリウスは超高速域を除く大半の走行シーンで圧倒的な燃費性能を誇る、いわば環境性能の無差別級王者を狙ったモデル。それに対してHS250hは輸入車ユーザー、高級車ユーザーなど、保守的なユーザーをハイブリッドに取り込む役割を担うモデルなのだ。

古典的なスタイリングではあるが、実車を見るとそのフィニッシュはすごい。水平方向に強いプレスラインが一直線に引かれているため直線基調のフォーマルな3ボックスセダンに見えるが、表面は複雑な三次曲面で包まれており、近くで見ると相当にオーガニックな印象だ。テイストはレクサス「IS」や『GS』などの兄貴分より、むしろフラッグシップの『LS』に近い。

「プレミアムセダンに抜群の環境性能を与えたという点は、レクサスHS250hの最大のハイライトだと思います。リッター23kmという10・15モード走行時の燃費性能は、一般的な2.5リッタークラスのセダンの2倍くらいに相当するレベル。プリウスは燃費に特化したモデルですが、レクサスのハイブリッド専用車は低燃費タイヤなど走りをスポイルするような燃費対策は施していません。プレミアムセダンらしいパワフルな走りも楽しめるのです」(古場氏)

レクサスブランドの中で唯一の4気筒エンジン車ながら、レクサスHS250hはすでに3000台の予約を集めているという。大出力の多気筒エンジンが一般的なプレミアムサルーンクラスでも、ハイブリッドシステムはプレゼンスを着々と高めている。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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