日産自動車、日本電気(NEC)、NECトーキンの合弁会社であるオートモーティブエナジーサプライ(AESC)は16日、同社の座間事業所で自動車向け高性能リチウムイオン電池の試作を開始したと発表した。
AESC製のリチウムイオン電池は、従来のニッケル水素電池などと比較し、約2倍のパワー密度を持ち、ラミネート型セルから成るコンパクトなモジュールを組み合わせることで、乗用車の居住スペースを圧迫せず、燃費向上にも貢献する。
また、NECグループが開発した熱安定性の良いマンガン系正極を使用し、放熱性の高い積層構造を採用することで、実車走行試験では安全性を立証するとともに、10万km以上を走行する長寿命も実現したとしている。
AESCは、量産体制を確立し、生産能力は、車両換算で年間1万3000台分相当からスタートし、遅くとも2011年度までには6万5000台分となる見込み。
AESC製リチウムイオン電池は、米国、日本で2010年度に投入される日産の電気自動車、日産独自のハイブリッド車に採用される予定。また、AESCはさらに、日産をはじめ世界中の自動車メーカーを対象にリチウムイオン電池を販売していく予定。