【レクサス RX 試乗】正しく進化、しかもお買い得…水野誠志朗

試乗記 国産車
【レクサス RX 試乗】正しく進化、しかもお買い得…水野誠志朗
【レクサス RX 試乗】正しく進化、しかもお買い得…水野誠志朗 全 7 枚 拡大写真
先代にあたるトヨタ『ハリアー』ハイブリッドはある種マッスルカー的で、トヨタ車の中では隠れた暴れん坊的存在だったが、レクサス『RX450h』はそういった面白さがなくなった分、安心してパワーを引き出せるクルマになった。

税制優遇や燃費の良さを含めれば、純ガソリン車の「RX350」との価格差は実質的にゼロに等しく、買うならハイブリッドのRX450hが断然おすすめ。実際、売れているのはほとんどが450hだという。

モーターだけでもかなり走ってくれるし、エンジンがかかってからも静かなので、ハイブリッド車らしい未来感が持続するのもいい。LED式ヘッドライトやナビをコントロールするリモートタッチといった装備もこれからのクルマにふさわしいものだし、オプションのレーダークルーズ&プリクラッシュセーフティシステムが14万7000円と安いのは素晴らしい。

一方、スイッチ類の分かりにくさ、DC12V電源の使いにくさ(AC100Vも標準ではない)、小回りの効かなさなど、日常の使い勝手に不満があるのは今後の課題だろう。

『GS450h』や『クラウン』ハイブリッド同様、RX450hもモーターを過給器のように使った強烈な加速を「売り」とするモデルだが、こうした速くて未来的な乗り物というポジションは、これはこれでハイブリッドのあり方だと思う。

ただしRX450hの実燃費は10km/リットル程度で、燃費は絶対的には良いとはいえない。この程度の燃費で、購入諸費用分程度のお金がタダになるというエコカー減税・補助金制度が適応されるのはかなり不公平だと思う。RX450hの実燃費程度のガソリン車は他にもある。

「何が何でもハイブリッド」ではなく、「ガソリン車でもいいクルマはある」。もし新政権ができたとしたら、そのあたりを考慮の上、購入促進策を打ち出してもらいたいものだ。


■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

水野誠志朗|自動車ライター
97年に新車試乗記を中心とするウェブマガジン「MOTOR DAYS」を立ち上げ、以来毎週試乗記をアップし、現在550台を超える試乗記を公開。「クルマはやがてはロボットになる」として、走りだけでなく利便性・安全・エコの面から新たなクルマのあり方を提言している。名古屋市在住。

《水野誠志朗@DAYS》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「めっちゃカッコよくない?」無限仕様の新型『プレリュード』が話題に、SNSではホイールにも「たまらない」の声
  2. 「本当に世に出るとは」車重わずか1トンで800馬力V12、「超アナログ」スーパーカー…新型車記事ランキング 8月
  3. 「今までのルノー車にはないデザイン」6代目となった新型ルノー『ルーテシア』、ファンの注目は“F1由来”の技術
  4. 【フィアット 600ハイブリッド 新型試乗】結構コスパ高し! 快適さとスムーズさは大幅進化…中村孝仁
  5. 【DS N°8 新型試乗】ハンドリングはもはや「賢者」、フランス車の味わいを濃縮した極上の一台…南陽一浩
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る