【カーナビガイド’09 開発者インタビュー】「ケータイユーザーのナビ利用率50%目指す」…ゼンリンデータコム いつもNAVI

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【カーナビガイド’09 開発者インタビュー】「ケータイユーザーのナビ利用率50%目指す」…ゼンリンデータコム いつもNAVI
【カーナビガイド’09 開発者インタビュー】「ケータイユーザーのナビ利用率50%目指す」…ゼンリンデータコム いつもNAVI 全 15 枚 拡大写真
◆サービス名称を「いつもNAVI」に統一

三浦:この5月には、複数あったナビゲーションサービスのブランドを「いつもNAVI」に統一されました。

上野:これまではPC向け地図情報サービスで「いつもナビ」、地図検索では「いつもガイド」、ケータイ向けサービスではドコモ向けですと「ゼンリン地図+ナビ」といったように、利用機器やキャリアによってサービス名称が異なっていました。混乱を防ぐ目的もありますし、PC/ケータイといった端末間の連携サービスでもありますので、今回ブランドを統合して、いつもNAVIというサービスで提供することとしました。

三浦:ゼンリンデータコムは、ケータイ3キャリアに加えてiPhoneやWindows Mobile、さらにカーナビにもサービス提供をされていますね。

上野:ええ。アルパインや富士通テン、三洋電機と共同で「いつもドライブ」という名称でサービス提供させていただいているものです。会員登録していただくことで、いつもNAVIの最新コンテンツを利用できます。たいてい、クルマに乗るときは目的地が決まっていますよね。事前にPCで目的地を決めておくことで、ケータイから目的地をすぐ送信できれば入力作業が簡素化できます。

三浦:いつもNAVIでは、アプリでカーナビ/徒歩ナビを選ばせるのではなく、目的地を決め、クルマだけでルート検索。徒歩+電車とクルマで検索するかを選ばせる仕様になっています。 カーナビと乗換案内+徒歩ナビとのサービスを一体化させているところに特徴が出ていいますが、サービスの切り分けについてはどのようなお考えでしょうか。

上野:当社アプリの特徴は、カーナビも歩行者ナビも1つのアプリ、1つの課金軸で提供しているということです。“「いつもNAVI」に登録すると全部使える”ということでアピールしています。


◆デジタル地図メーカーのこだわり

三浦:使っていてユニークに感じるのは、 速度が表示されることですね。徒歩ナビやカーナビだけでなくて、たとえば新幹線に乗っていても220km/hと表示されたりして、ケータイナビにはこういう楽しみ方もあるのだなあと、感心します。

上野:速度表示は903iから対応しています。徒歩ナビと車ナビでワンアプリですので、 案内やリルートのタイミングについては歩行者なりクルマなりに専用のカスタマイズを加えていますが、根本的なロジックは両者でそんなに変えてはいません。

三浦:たとえば安価なPNDですと交差点名称の読み上げに対応していないのですが、いつもNAVIはちゃんと交差点を読み上げて案内しますね。

上野:ケータイのアプリのなかに案内に必要な基本の音声データが入っていますが、交差点名称のように固有な音声データはサーバからの通信で取得しています。もちろんTTS(Text to Speach:テキスト読み上げ)ではなくリアルな音声データです。通るであろう交差点は事前に予測できますので、遅延なく交差点の読み上げをするのはそれほどむずかしいことではありません。

三浦:地図の表現もリッチですね。東京タワーや東京都庁といった主要なビルや建物を立体的なアイコンで表現していることもユニークです。

上野:“見やすく分かりやすい地図をどう見せるか”は常日頃から考えているテーマです。
3Dアイコンはランドマークを分かりやすく見せるために採用しました。アイコンは地図とは別のレイヤーで早く出ます。

三浦:高速でスクロールしたときには、地図が描画される前にこのアイコンが出るので、だいたいの場所が直感的に分かりやすく便利です。地図を表示させているときに、方面が出るのもいつもNAVIだけですね。

上野:紙地図ではページの上下左右の端に方面表示がありますよね。この紙地図の方面表示をイメージして、ケータイにも採用しています。また、行政界強調や道路強調など、多彩な表示もわれわれの特徴ですね。

三浦:こうした地図の見せ方に対してのこだわりは、地図会社であることの担当者の思いなのでしょうか。地図を他社から買ってサービスを提供する業者では見られない姿勢と感じます。

上野:元の地図から作り方を変え、地図を絡めた新しいサービスを提供できるというのはわれわれの強みと言えます。先ほど話題に出した、歩行者ネットワークへの取り組みについてはわたしも検討の段階から参加していました。

三浦:ゼンリン/ゼンリンデータコムではデジタル地図を提供されていましたが、ナビゲーションエンジンの開発は、PC向けのサービスでまず実装し、ケータイへも横展開されたのですね。

上野:そもそもゼンリンデータコムという会社が通信との連携サービスを提供する会社として設立された経緯でしたから、サーバ・クライアント型の地図/ナビゲーションサービス提供はなるべくしてなったと言えます。

三浦:ゼンリンデータコムとして、ルートにたいするこだわりや重視されている点はありますか。

上野:“速く目的地に着くこと”そして“安全であること”への優先度は高く設定しています。
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《北島友和》

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