クーペとSUVの良いとこ取りをしたモデルとのことだが、そもそもがアメリカ向けに作られたモデルだけに、ボディの全幅は1800mmに達しており、搭載エンジンも3.7リットルのみの設定でともに大きい。月間の販売目標台数がわずか200台というのも当然といえば当然だ。
VQ37VHRエンジンは豪快なパワーフィールを味わわせてくれ、7速ATと組み合わされた走りはSUVとは一線を画していて、セダンやクーペ並みのスポーティさが楽しめる。パワフルなだけに、騒音レベルはやや高めだ。
しっかりした乗り味の足回りは安定性についても不満はないが、マッド&スノーのタイヤはスポーティな性格の『スカイラインクロスオーバー』に適しているかどうか。
重量のあるSUVにパワフルなエンジンを搭載しているのだから、燃費があまり良くないのも当然のこと。今どきのクルマ選びにはそぐわないが、そんなことを考えずに買うユーザーが選ぶクルマだろう。上級車クラスに位置するだけに快適装備や安全装備の充実度もまずまず高いレベルにある。
■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★
松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。