[GOOD DESIGN EXPO 09]オートバイデザインは転機…松井審査委員

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[GOOD DESIGN EXPO 09]オートバイデザインは転機…松井審査委員
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国内オートバイ市場の不振は、グッドデザインエキスポの会場にも現れていた。ハイブリッド車で勢いを吹き返す乗用車や、環境や健康志向の追い風を受けて大幅に出品を増やした自転車に比べて、オートバイの出品展示は思いのほか少なかった。

会場に展示されたオートバイは、わずかに2社3モデル。本田技研工業(ホンダ)の『モンキー』とヤマハ発動機の『VMAX』、『TMAX』の3モデルだけだった。モンキーは「PFI-FI」を搭載して30年ぶりのフルモデルチェンジ。VMAXも19年ぶりのリニューアルである。

圧倒的なパワーと先鋭的なフォルムで、個性を際だたせたオートバイの勢いはどこへ行ったのか。「環境や健康への関心が高くなり、乗る人が減ったオートバイは、転機を迎えている」と、移動ユニット審査員であり、ロボットデザイナーの松井龍哉氏(フラワー・ロボティクス代表取締役)は指摘する。

「ジェネレーションが変わった。今まで支持されていた排気量やスピードがマニアックな層にしか受けなくなっている。エコカーが評価されることを見てもわかるように、“エモーショナルな欲望のデザイン”が本当に必要なものか。オートバイもその社会的意義が問い直されている。速くておもしろいだけでは足りないのではないか」(前同)

オートバイは、ほかのどんな移動手段にもない人車一体感を持ち、交通インフラとしても一定の役割を担っている。ユーザーやデザインを関係者から評価されるオートバイとはどんなものか。息の長い定番モデルだけでなく、まったく新しいオートバイを、いつの日かデザインエキスポの会場で見てみたいものだ。

《中島みなみ》

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