メルセデスベンツ、1992年式 190E に最新ディーゼルを移植

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メルセデスベンツ、1992年式 190E に最新ディーゼルを移植
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ダイムラーは3日、1992年式メルセデスベンツ『190E』に、最新のクリーンディーゼルを移植した実験車、『190Dブルーエフィシエンシィー』を公開した。この20年間で、ディーゼルの性能がどこまで進化したのか、確かめるのが目的だ。

実験車に選ばれた190E(W201型)は、1982年にデビュー。それまでメルセデスベンツの乗用車は、最上級の『Sクラス』と「ミディアムクラス」(現『Eクラス』)の2種類しか存在しなかった。190Eは、同社が初めて小型セダン市場に参入したモデルとして、メルセデスの歴史に名を残すモデルである。

当時のメルセデスベンツは「最善か無か」を車作りの基本精神に掲げており、コンパクトカーの190Eといえども、上級のSクラスと変わらない入念な作りこみが行われた。190Eは取り回し性能に優れる5ナンバーサイズということもあり、日本でも大ヒット。当時の小型車には類を見ないクオリティが、高い人気を得た最大の要因だろう。

そんな190Eに、ダイムラーは最新の「OM651型」コモンレールディーゼルを移植した。このエンジンは『Cクラス』の「C250CDIブルーエフィシエンシィー」などに搭載されているユニットで、直噴1.8リットル直4ターボディーゼルは、204psの最大出力と51kgmの最大トルクを発生。とくに最大トルクは1600 ‐ 1800rpmという低回転域で生み出される。

190Eの最強グレードで、DTMのグループAホモロゲーション用に502台が製造された1990年式『190E2.5-16エボリューションII』が、最大トルク25kgm。実験車は、この約2倍のトルクを獲得した計算だ。

ところで190Eは1983年、当時の最新鋭ディーゼルを積む『190D』を設定。参考までに190Dの「OM601型」ディーゼルのスペックは72psで、C250CDI用ディーゼルの3分の1の出力である。

さて、実験車の190Dブルーエフィシエンシィーは、0-100km/h加速6.2秒という優れた加速性能を発揮。これは190Dよりも11.9秒も早いタイムだという。また燃費を計測したところ、13.7km/リットルから20.4km/リットルへ、約50%の向上を果たしたことが判明した。

ドイツの技術者、ルドルフ・ディーゼル氏が1892年に発明したのがディーゼルエンジン。メルセデスベンツはその技術を自動車に応用し、1936年、世界初の量産ディーゼル車『260D』を完成させた。今回の実験車製作は、ディーゼルのパイオニアとして、今後も精力的な技術開発に取り組む意思を示したものと受け取れる。

《森脇稔》

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