【ジャガー XKR 試乗】優雅に乗れるオーバー500馬力…水野誠志朗

試乗記 国産車
【ジャガー XKR 試乗】優雅に乗れるオーバー500馬力…水野誠志朗
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様々な過激モデルがひしめくこのクラスにおいて、マイチェンしたにもかかわらず話題性でも、現実の売れ行きでもやや埋没感のある『XKR』。

しかし試乗してみると、その巨大なパワーを感じさせないジェントルさは、真のグランツーリスモといったところで、日産『GT-R』、ポルシェ『911ターボ』、シボレー『コルベット』などの500馬力スーパースポーツ達とは一線を画すキャラを持つ。走行シーンごとにその出力はかなり自動的にセーブされていると思われるが、それゆえ公道上では危なっかしさがなく、510馬力ものパワーを優雅な雰囲気で乗りこなせる。

変速機は流行りのDCTではないが、それでも新開発の5リッター直噴V8スーパーチャージャーのCO2排出量は292g/kmと、500馬力カーとしてはかなり優秀(7速PDKの新型ポルシェ911ターボほどではないけれど)。10・15モード燃費は6.6km/リットルで、実際の試乗燃費は5.8km/リットルだったが、このクラスとしては不満のない値といえるだろう。

シフトレバーを廃して鋳造アロイ製のダイヤル式としたドライブセレクターや電子制御式パーキングブレーキなど、新しい5リッター車に与えられた未来的な操作系も素晴らしく、日本車と違って速度設定が自由なアダプティブクルーズコントロールを使って淡々と流せば、乗り心地も良くて、本当に気分がいい。

ドライブセレクターの先進性に比して、ナビの位置や角度、各種設定をタッチパネルで行う点には古くささと不満を感じてしまうが、ナビ機能にそう重きを置かない人なら、内装のリッチさや座り心地のいいシート、圧倒的な加速感などの点で、実用的で理想的なハイエンドカーに思えるはず。サーキットで勝負でもしない限り、どんなシーンでも全てのクルマを軽くいなすことができ、乗れば大人の余裕を見せつけられるクルマだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★★

水野誠志朗|自動車ライター
97年に新車試乗記を中心とするウェブマガジン「MOTOR DAYS」を立ち上げ、以来毎週試乗記をアップし、現在550台を超える試乗記を公開。「クルマはやがてはロボットになる」として、走りだけでなく利便性・安全・エコの面から新たなクルマのあり方を提言している。名古屋市在住。

《水野誠志朗@DAYS》

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