【フランクフルトモーターショー09】メルセデスベンツ SLS AMG…ガルウイングが復活

自動車 ニューモデル モーターショー
【フランクフルトモーターショー09】メルセデスベンツ SLS AMG…ガルウイングが復活
【フランクフルトモーターショー09】メルセデスベンツ SLS AMG…ガルウイングが復活 全 15 枚 拡大写真

ダイムラーは10日、新型車メルセデスベンツ『SLS AMG』を、15日に開幕するフランクフルトモーターショーで初公開すると発表した。0-100km/h加速3.8秒、最高速317km/hという新しいスーパーカーの誕生だ。

新型SLS AMGは、メルセデスベンツの名車中の名車と評される1954年発表の『300SL』を、最新技術で甦らせた同社の新フラッグシップスポーツカー。300SLは当時のレーシングカーと同じ鋼管スペースフレーム構造を持ち、サイドドア部分を通るフレームを避けるため、ガルウイングドアを導入したという逸話を持つ。世界初のガソリン直噴エンジン搭載車としても知られ、3.0リットル直6(215ps)は260km/hの最高速を誇った。

SLS AMGは、間もなく生産を終了する『SLRマクラーレン』の後継車種に位置づけられる。メルセデスベンツの高性能車を手がけるAMGが、デザインからメカニズムまで一貫して開発した最初のモデルで、ロングノーズ&ショートデッキの古典的スポーツカーフォルムには、300SLの特徴的なガルウイングドアが受け継がれている。

ボディサイズは、全長4650×全幅1950×全高1250mm、ホイールベース2700mm。メルセデスベンツ『SL』(全長4565×全幅1820×全高1315mm、ホイールベース2560mm)よりも、ひと回り大きなボディとなるが、全高は65mmも低い。ヘッドランプやボンネットの形状には、既存のメルセデス車にないデザインが与えられ、ひと目でSLS AMGと識別できる。

注目のガルウイングドアは、70度の角度で上方に大きく開き、かつての300SLの特徴を巧みに再現。シート地上高は369mmと低いが、サイドシルの厚みを抑え、乗降性に配慮している。

エンジンは、『63AMG』シリーズでおなじみの「M156型」6208cc・V8をベースに、約120か所に渡る専用チューンを施した「M159型」だ。新設計インテーク、ドライサンプオイル潤滑システム、強化クランクシャフトベアリング、鍛造ピストンなどを採用。最大出力571ps/6800rpm、最大トルク66.3kgm/4750rpmを発生する。これは『SL63AMG』(525ps/6800rpm、64kgm/5200rpm)と比較して、46ps、2.3kgmの上乗せだ。欧州複合モード燃費は7.57km/リットルで、ユーロ5やLEV2、ULEV基準を満たす排出ガスなど、高い環境性能も併せ持つ。

エンジンは低重心化のため、フロントアクスル後方の低い位置、フロントミッドシップにマウント。トランスミッションはリアアクスルに配置するトランスアクスルレイアウトとした。トランスミッションは、新開発のデュアルクラッチ7速2ペダルMT、「AMGスピードシフトDCT-7」。4つのモードを備え、レーススタートモードでは、ローンチコントロールを可能にする。

SLS AMGは、オールアルミスペースフレーム構造を採用。ボディにもアルミがふんだんに使われ、トータル重量は1620kgに抑えられた。パワーウェイトレシオは2.84kg/psと驚異的で、前後重量配分も47対53と理想的な数値。571psのパワーはカーボンファイバー製ドライブシャフト&トルクチューブを通じて、後輪へ伝達され、0-100km/h加速3.8秒、最高速317km/hという圧倒的パフォーマンスを発揮する。

アルミ製サスペンションは、前後ともダブルウィッシュボーン。ブレーキは前6ピストン、後ろ4ピストンのセラミックコンポジットブレーキだ。タイヤはフロント265/35ZR19、リア295/30ZR20サイズを装着する。

インテリアは、斬新でありながら非常に高いクオリティを表現。モチーフは航空機のコクピットに求められ、メーターやスイッチ、ベンチレーションは、円形で統一された。「Eセレクト」と呼ばれるシフトレバーは操縦桿を思わせる形状だ。

シートはサイドのサポート性を高めた専用デザインで、フレームには軽量高剛性なマグネシウムを使用。シートやドアトリム、アームレストには、ハンドメイドで縫製された「デジーノ」と呼ばれる上質なナッパレザーをあしらい、色はブラック、クラシックレッド、ホワイト、サンド、ライトベージュの5色を設定した。ピラーやルーフライニングは、アルカンターラ張り。装飾パネルはシルバーのメタルパネルが標準だが、オプションでカーボンパッケージも選択できる。

直径365mmの「AMGパフォーマンスレザーステアリングホイール」は、パドルシフト付きのフラットボトムデザイン。メーターは360km/hスケールで、シフトアップインジケーターには7個のLEDが配されている。

オーディオはデンマークの「バング&オルフセン」製で、ドルビーデジタル5.1チャンネル仕様。システムは1000Wアンプ、250Wサブウーハー×2、11スピーカーなどで構成され、ナビゲーションやDVDなどが楽しめるマルチメディアシステム「コマンドAPS」も設定される。安全面では、シート内蔵サイドエアバッグ、ニーバッグ、ウインドウバッグなど、合計8個のエアバッグが装備された。

新型SLS AMGは2010年初頭、欧州で販売開始。ドイツでの価格は、17万7310ユーロ(約2380万円)からだ。ダイムラーは同等のパフォーマンスを追求したEV仕様も開発中で、2015年の市場投入を計画している。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ついにハイブリッド化! 新型トヨタ『ランドクルーザー300』の発表にSNSでは「バク売れの予感」など話題に
  2. トヨタの顧客は1億5000万台…バリューチェーンで財務基盤強化
  3. 世界最高級ピックアップトラック誕生!? トヨタ『センチュリーピックアップ』の可能性
  4. 日産 リーフ 新型をライバルと比較…アリア、テスラ、bZ4Xと何が違う?
  5. 15歳から運転できる「小さいオペル」に興味アリ!「通勤用にこういうのでいいんだよ」など注目集まる
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  2. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  3. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  4. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  5. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
ランキングをもっと見る