テスラ、EVフルラインナップ構想を発表

エコカー EV
テスラ、EVフルラインナップ構想を発表
テスラ、EVフルラインナップ構想を発表 全 8 枚 拡大写真

米国テスラモータースは9月28日、4ドアEVスポーツカー『モデルS』のプラットフォームを利用したミニバン、クロスオーバー、商用車を開発する方針を明らかにした。

テスラモータースは2003年、カリフォルニア州シリコンバレーに設立されたベンチャー企業。2008年にEVスポーツカー、テスラ『ロードスター』の販売を開始した。同車はロータス『エリーゼ』をベースに開発され、最大の特徴は電気モーターのみで走行するゼロエミッションのスポーツカーという点だ。

ミッドシップに置かれる強力なモーターは、最大出力250ps、最大トルク38.2kgmを発生。軽量なエリーゼをベースにしたことで、車重は1220kgに抑えられ、0-96km/h加速3.9秒、最高速201km/h(リミッター作動)の性能を発揮する。

2次電池はリチウムイオンバッテリーで、急速チャージャーを使えば約3.5時間で充電可能。最大航続距離は393kmを確保した。米国でのベース価格は12万8500ドル(約1155万円)で、米国だけでなく欧州でも販売。9月15日には700台目を納車したばかりだ。

また、テスラは今年3月、2番目のラインナップとして4ドアEVスポーツの『モデルS』を発表。パワートレーンは新開発のモーターとシングルスピードのギアボックス。床下に置かれる2次電池は、新開発のリチウムイオンバッテリーで、3種類の容量があり、最大航続距離は160マイル(約257km)、230マイル(約370km)、300マイル(約483km)とした。

充電は家庭用のコンセントから可能で、電圧は120V、208V、240Vに対応。さらに、わずか45分でチャージできる440Vの専用充電システムを用意する。車重は1735kgに抑えられ、0-96km/h加速5.6秒、最高速209km/h(リミッター作動)というパフォーマンスを実現している。

モデルSの価格は、5万7400ドル(約515万円)からの予定だが、米国政府による7500ドル(約65万円)の補助金が受けられるため、実質的なベースプライスは、4万9900ドル(約450万円)まで下がる見込み。正式発売は2011年後半だが、すでに1000台以上の受注を獲得している。

今回、同社のDiarmuid OConnell副社長が、今後の商品計画についてブログで声明を発表。今年6月、テスラは米国政府から環境対応車を開発するメーカーへの補助政策として、4億6500万ドル(約420億円)の低利融資を受けたが、その使途に関してのコメントである。

テスラはすでにこの融資を使い、モデルSの生産工場をカリフォルニアに建設するプランを公表。さらにEV向けのバッテリー工場をカリフォルニアに新設すると発表していた。今回、Diarmuid OConnell副社長は、「モデルSのプラットホームを、ミニバン、クロスオーバー、商用車にも活用する」と、EVの車種ラインナップ拡大を宣言した。

テスラは今年5月、ダイムラーと資本提携を締結。バッテリー、EVシステム、車両の開発などで、新たな協力関係を築くことが決定している。1ベンチャー企業から始まったテスラが、フルラインEVメーカーになる日も、そう遠くないのかもしれない。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  3. 軽自動車よりも小さい! 15歳から運転できるオペル、約132万円から販売
  4. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る