富士経済は、世界の産業用ロボット市場とサービスロボット・産業用ロボットについての調査を実施し、その結果を報告書「2009ワールドワイドFAロボット/RT関連市場の現状と将来展望」にまとめた。
産業用ロボット(17品目)の世界市場は2008年が自動車や半導体分野に景気後退の影響から3835億円、前年比11.7%減となった。2009年は2482億円にまで落ち込む見通しだったが、今後、分野は限定的ながら設備投資案件が浮上しており、2010年には3093億と回復に転じ、2012年には過去最高だった2007年の2%増となる4436億円を予測する。
アジア市場は、自動車向けアーク溶接、スポット溶接、樹脂成型品の取り出し、液晶パネル向けガラス基板搬送が主なロボット導入先。これまでは韓国、台湾などを中心に市場を形成してきたが、2008年には中国が台湾に次ぐ市場に成長した。今後は中国の液晶パネルメーカーが自動化意識の変化とより技術力が要求される製品の生産が本格化、組立・搬送系、クリーン搬送系のロボット需要が拡大すると見込む。
サービスロボット(20品目)は2007年の販売実績が60億円、2008年では77億円、2012年には2008年比3倍の231億円になると予測する。現在は掃除ロボット、ホビーロボット、コミュニケーションロボットなど、家庭用ロボット市場が約8割を占めるが、2012年にかけては清掃ロボットや荷役・搬送ロボット、施設点検ロボットの業務用ロボット市場が4年間で4.8倍、パワーアシスト・増幅スーツ、移乗ロボット、セラピーロボットの医療・介護・福祉用ロボット市場が4年間で18倍と急拡大すると予測する。