【東京モーターショー09】レクサス LFA…最後に求める味

自動車 ニューモデル モーターショー
レクサスLFA
レクサスLFA 全 4 枚 拡大写真

日本での販売価格3750万円と、500台限定ながらついに2010年末の発売が正式に予告されたトヨタ自動車のスーパースポーツカー、レクサス『LFA』。

「私が開発初期から“味づくり”に参加した。本物を知り尽くしている人が最後に求める味を作り込んできました」(豊田章男社長)と、仕上がりには大いに自信を見せる。

日本産の市販スーパースポーツといえば、これまで日産『GT-R』が唯一の存在であった。そのGT-Rを大きく超え、560psを発生させる4.8リットルV10を搭載しながら、排気音は各国の騒音規制を余裕でクリアするレベルに抑えた。小さなエキゾーストノートでも迫力と快感を味わえるよう、楽器メーカーのヤマハと協力し、パイプオルガンに似た原理でミュージックサウンド的な排気音を意図的に作り出している。

「限界に挑戦することは、クルマ作りの本質に通じる。走る楽しさ、時代の先端をいく先進性を追求することの大切さは、これから先も変わらない」(豊田社長)

環境一辺倒という色彩が濃い今年の東京モーターショー会場において、環境技術では世界のトップランナーの1社であるトヨタ自動車が、レクサスLFAを筆頭にコンパクトRWD(後輪駆動)トヨタ『FT-86』コンセプト、パワー指向ハイブリッドをラインナップするハッチバックモデル、レクサス『LF-Ch』コンセプトなど、スポーティモデルを幅広くラインナップするのは興味深いところ。

「かつてはトヨタも『ハチロク』(後輪駆動の小型スポーティモデル)、『アルテッツァ』、『セリカ』など、スポーティカーをいろいろ出していました。それらが全て姿を消してしまったのは、自動車人として寂しい限り」と語る豊田社長。

遊びを感じさせるクルマが前面に押し出されているのは、楽しめるクルマ作りが大事という氏のフィロソフィの影響も大であろう。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ホンダ株主総会で三部社長「完全否定ではない」日産との経営統合に“未練”[新聞ウォッチ]
  2. トヨタ『プリウスPHEV』、黒が冴える「ナイトシェード」設定
  3. トヨタの顧客は1億5000万台…バリューチェーンで財務基盤強化
  4. ついにハイブリッド化! 新型トヨタ『ランドクルーザー300』の発表にSNSでは「バク売れの予感」など話題に
  5. 【スズキ ソリオ 新型試乗】乗り心地と静粛性はクラストップ、だが「損をしている」と思うのは…中村孝仁
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  3. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  4. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  5. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
ランキングをもっと見る