【COTY09-10 選考コメント】“エコカー=退屈”ではない…藤島知子

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大賞:トヨタ プリウス
大賞:トヨタ プリウス 全 5 枚 拡大写真

今年の日本カー・オブ・ザ・イヤーは、エコカーたちの躍進ぶりに焦点が当てられた一年となりました。ユーザーに身近な存在となったハイブリッドカーの『プリウス』や『インサイト』、また、アイドルストップを導入した『アクセラ』や市販車初のEVとなった『i-MiEV』が登場しました。

先進機能が搭載された新型車がつぎつぎに登場することはいつの時代も変わりませんが、ここ数年は既存のガソリンエンジン車の効率アップに加え、環境に配慮したクルマづくりにおいて、各メーカーのポリシーや方向性が多種多様に表現されてきているのが面白いところ。

結果として大賞に輝いたのは走りの質、快適性、動力面ともに大きくレベルアップを果たしたプリウス。しかし、ここで最も優れているクルマに与えられる「10点」が入れられた車種に着目してみると、インサイトやi-MiEV、『ゴルフ』に『MiTo』など、各選考委員の価値観によって点数を投じるクルマが例年に比べて大きくばらついていたのが印象的でした。

つまり、これらが示していることは、じっさいに自動車を購入するユーザーは、同じ環境性能に優れたクルマに買い換えるにしても、とにかく低燃費の経済性が重要とか、走りの愉しさやスタイリングは譲れないとか、多様化した価値観のなかから個々の要求に沿ったクルマを選択できる機会が与えられているということなのです。

「エコカー=退屈」に収まるわけではないところは、ひとりのクルマ好きとして、とても喜ばしいことだと思っています。個人的には、より自然な運転感覚と運動性能を手にしたプリウス以外にも、色彩感覚でエコドライブを実践できるメーターをもち、軽快な走りをみせるインサイトも女性として感覚的に向き合いエコカーとして大好きですし、かつての国産FRスポーツの美学を盛り込んだ『フェアレディZ』、プレミアムカーでは安全性と色気のあるデザインと見事な走りっぷりを両立させた『XC60』は頼もしい存在。高効率なエンジンにプリウスと同等の空力性能をもった『Eクラス』、次世代のEV社会の可能性をイメージさせるi-MiEVなども魅力的に映りました。

藤島知子|モータージャーナリスト
幼い頃からのクルマ好きが高じて、2002年からワンメイクレースに挑戦。市販車からフォーミュラカーに至るまで、ジャンルを問わず、さまざまなレースに参加している。2007年にはマツダロードスターレースで女性初のクラス優勝を獲得した経験をもつ。現在はクルマの楽しさを多くの人に伝えようと、自動車専門誌、一般誌、TV、WEB媒体を通じて活動中。走り好きの目線と女性の目線の両方向から、カーライフ全般をサポートしている。COTYの選考基準は、クルマと共に過ごす日常において、気持ちを豊かにしてくれるクルマかどうかに焦点を当てる。

《藤島知子》

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