放置駐車の取締り、各界から不満噴出

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雨の日も晴れた日もどんな場所でも(撮影=中島みなみ)
雨の日も晴れた日もどんな場所でも(撮影=中島みなみ) 全 2 枚 拡大写真

2006年6月に始まった駐車監視員による放置駐車取締りだが、その運用方法や駐車対策について各界から批判の声が高まっている。

駐車監視員の確認方法を皮肉ったのは、放送プロデューサーのデーブ・スペクター氏だ。「これは東京や大阪だけかもしれないけど、警察が必要以上に細かくうるさくなっている。青山霊園のところに公衆トイレがあって、タクシーの運転手さんがトイレ行くためにあそこに止めて行く。それを緑の服着ている人たちが木の裏で隠れて取り締まろうとしている。これ本当ですよ」(31日・東京モータショー会場)

スペクター氏は、細かな取締りの影響で、道路使用許可をとって放映しても視聴者から「止めていいのか」というクレームが来るようになり、テレビでクルマを駐車しているシーンがほとんどなくなったとも話す。

「駐車問題は大きい。これだけクルマが売れなくなって買い替え促進に補助金まで出ている時に、警察の協力も必要。放置駐車に目をつぶるという意味ではないですよ、違法は違法ですから。でもあまりにもオーバーになっている」

駐車場が圧倒的に不足しているオートバイ業界の意見はもっと厳しい。全国オートバイ組合連合会の吉田純一会長は言う。

「立法の過程では、悪質、危険性、迷惑性の高い放置駐車を取り締まると警察庁は話していたのですが、運用が始まると法律は法律だと軒並み取り締まられている。100億円以上収められた放置違反金で、大都市で圧倒的に不足する二輪車駐車場は十分できるはずなのに、お願いしてもなかなか実現しない」(29日・民主党二輪車ユーザーを支援する議員連盟設立準備勉強会)

こうした声に理解を示す国会議員もいる。小林興起代議士だ。「だいたい警察がほとんど悪いですよね。捕まえなくていい車両も捕まえる。警察の担当者を呼んで、むちゃくちゃな取締りをしないように言わないとだめですね。警察は取り締まることばかりやって自分が取り締まられることを考えていないから」(同・設立準備会)。

小林氏は駐車場整備について、こんなアイデアも披露した。「(警察に)ここなら止めてもいいという枠を、うまく作ってもらってね。どうしたらやれるのかということを考えてもらう。ユーザーのみなさんにここなら駐車できるという場所を紙に書いてもらってね、役所を呼んで即断即決でやらせる」。

違法駐車を減らすはずが、車両保有台数まで減らしていたという取締りになっていないのか。放置駐車の確認だけでなく、制度運用の確認も必要ではないだろうか。

《中島みなみ》

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