【メルセデス・ベンツ BlueEFFICIENCY テクノロジー】いかにして自動車を未来に存続させるか?

エコカー 燃費
メルセデス・ベンツ E 250 CGI BlueEFFICIENCY (欧州仕様)
メルセデス・ベンツ E 250 CGI BlueEFFICIENCY (欧州仕様) 全 18 枚 拡大写真
◆“BlueEFFICIENCY”(ブルーエフィシエンシー)とは?

「ブルーエフィシェンシー」とは、現在メルセデス・ベンツが取り組んでいる様々な燃費向上やCO2 排出量の削減に向けた環境技術やその成果を総称するものだ。

それが意味するのは、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、ハイブリッド、さらには次世代の燃料電池車やEV等、多岐にわたるパワートレインの開発に加え、車体の軽量化や空気抵抗の低減、エンジン補機類の効率改善、果ては資源リサイクルといった広範な分野にまで及ぶ。言葉を換えれば、メルセデス・ベンツが取り組む統合的な環境コンセプトだ。

すでにメルセデス・ベンツは1990年から2007年にかけて全乗用車ラインナップの平均燃費を約30%低減した実績を持つが、今後もそうした効率(エフィシェンシー)をいかに高め、自動車を未来に存続させるか。その命題に対するメルセデス・ベンツの取り組みそのものが「ブルーエフィシェンシー」というわけだ。


◆C250CGI BlueEFFICIENCY……新開発1.8リッター直噴ターボを搭載

「ブルーエフィシェンシー」をうたったモデルとして実質的に第一弾となったのが、2009年8月に日本に導入された「C250CGI ブルーエフィシェンシー」だ。そこに搭載された新開発の1.8リッター直4・直噴ガソリンターボエンジンは、従来の「C250」が積む2.5リッターV6(204ps/25.0kgm)と同じ204psを発揮し、26%増となる31.6kgmの最大トルクを2000〜4300回転という幅広いレンジで発揮する。

もちろんその直4ターボは従来のV6より小型軽量であり、また直噴化によって燃焼効率も向上。これらによってC250CGIの10・15モード燃費は従来のC250(9.3km/リットル)より約20%も優れる11.2km/リットルとなっている。これは実にエントリーグレードのC200コンプレッサー(184ps/25.5kgm)と同じ燃費数値だ。こうしたパワーと燃費性能の「劇的」両立は、ドイツ系メーカーが得意とする直噴ターボテクノロジーの成せる技と言っていいだろう。

日本仕様のC250CGIは、スポーティなアバンギャルド仕様のみで、セダンとステーションワゴンの両方に用意される。価格はセダンの「C250CGI ブルーエフィシェンシー アバンギャルド」が567万円、「C250CGI ブルーエフィシェンシー ステーションワゴン アバンギャルド」が587万円だ。


◆E250CGI BlueEFFICIENCY……“アバンギャルド”は輸入ガソリン車で初のエコカー減税対象車

「ブルーエフィシェンシー」と銘打って、2009年夏から「C250CGI ブルーエフィシェンシー」、「Sクラス ハイブリッド ロング」と立て続けに環境対策車を日本に導入したメルセデス・ベンツ。そのブルーエフィシェンシー第三弾となったのが、10月に発売された「E250CGI ブルーエフィシェンシー」だ。5月に発売された新型Eクラス(W212型)の新しいエントリーグレードでもある。

エンジンはC250CGIと同じ1.8リッター直4・直噴ターボ(204ps/31.6kgm)。「CGI」とはメルセデス・ベンツのガソリン直噴技術を指す。最新のマルチホール(多孔式)ソレノイドインジェクター、可変カムシャフト/バルブコントロールを採用した直噴ターボエンジンは、現行「E300」の3リッターV6(231ps/30.6kgm)に迫る最高出力と、それを上回るトルクを発揮。先代Eクラス(W211型)の2.5リッターV6(204ps/25.0kgm)と最大出力は同じで、最大トルクは26%増となる。

日本向けEクラスで久々となるこの4気筒モデルについて、メルセデス・ベンツ日本のハンス・テンペル社長は、「すでにドイツでは気筒数によるヒエラルキー意識はない。乗ってもらえれば日本のカスタマーにも必ずその良さを分かってもらえるはず」と自信を見せる。

気になる燃費性能は、先代E250に対して社内値で約27%向上。10・15モード燃費は先代E250の9.0km/リットルに対して、セダンの「E250CGI ブルーエフィシェンシー」が11.4km/リットル、それより2インチ大径の18インチタイヤを履き、車重が100kgほど重い「E250CGI ブルーエフィシェンシー アバンギャルド」が10.8km/リットル。そして17インチタイヤを履き、ノーマルの250CGIセダンより110kg軽く、世界トップのCd値0.24を誇る「E250CGI ブルーエフィシェンシー クーペ」が11.2km/リットルを達成している。

これらの優れたエミッション性能により、E250CGIシリーズは「平成17年排出ガス基準75%低減レベル」をクリアし、いわゆる4つ星(★★★★)を取得。これによりメルセデス・ベンツの新車購入補助制度対象車は19モデルとなり、日本向けラインナップの約半数に及んでいる。

さらにセダンのE250CGI アバンギャルドについては、購入時の自動車取得税、重量税、翌年度の自動車税が一部免除される「エコカー減税対象車」ともなっている。輸入車でこの対象車となったのは、Sクラス ハイブリッド ロングに続いて2番目、純ガソリン車ではこのモデルが初だ。

価格はセダンの「E250CGI ブルーエフィシェンシー」が634万円、「E250CGI ブルーエフィシェンシー アバンギャルド」が698万円、「E250CGI ブルーエフィシェンシー クーペ」が668万円だ。


◆Sクラス ハイブリッド ロング……輸入車初のハイブリッド

エンジンと電気モーターを併用するハイブリッド車の分野では、目下トヨタがリードする状況にあるが、メルセデス・ベンツも独自のハイブリッド技術で対抗している。その鏑矢となったのが9月に発売された輸入車初のハイブリッド車「Sクラス ハイブリッド ロング」だ。

そのハイブリッドパワートレインは、アトキンソンサイクル化された3.5リッターV6エンジン(279ps/35.7kgm)とモーター(20ps/16.3kgm)を組み合わせたもの。トータルでの最高出力は299ps、最大トルクは39.3kgmを発揮し、排気量4リッター並みとなるため、欧州ではS400ハイブリッドを名乗る。0-100km/h加速は7.2秒、最高速はリミッターが作動する250km/hだ。

エンジンとトランスミッション(7AT「7G-TRONIC」のハイブリッド用改良版)の間に挟まれた薄型モーターは、発電機とスターターも兼ねている。常にエンジンと一体で回転するため、モーターのみでは発進しない。あくまでエンジンをアシストするものだ。

もちろん「ECOスタートストップ機能」と呼ばれるアイドリングストップ機能も備わる。発進の際には、エンジンに直結したモーターがスターターとなってエンジンを始動するため、ブレーキを離した瞬間のエンジン始動およびクリープ発生ラグは皆無だ。

このハイブリッドシステムの特徴は、ハイブリッド化による重量増が75kgに過ぎないこと、そしてトランクスペース(524リッター)等の犠牲がないことだ。その最大の理由は、モーターだけでは走行しないためバッテリー容量が小さくて済む点にある。

しかもSクラス ハイブリッドには、量販市販車としては初のリチウムイオンバッテリーが採用されている。エネルギー密度の高いリチウムイオンバッテリーは、通常のニッケル水素バッテリーより小型化が可能で、エンジンルーム右端のファイアーウォール側に搭載。スチール製ハウジングに囲まれ、換気口や専用冷却回路も備えるなど、安全性も十分に確保されている。

なおエンジン停止中は新開発の補助オイルポンプが7ATのオイルを循環させるほか、エアコンのコンプレッサーも電動化されており、その駆動用電源もリチウムイオンバッテリーから供給される。高度な制御により優れた性能と高い安全性を実現したSクラス ハイブリッドのリチウムイオンバッテリーは、業界の内外でも高い評価を獲得している。 ドライバー団体が主催する「ゴールデナー・エルトロプフェン2009」をはじめ、 欧州の才能あるエンジニアに贈られる最高の賞「フェルディナンド・ポルシェ賞」等、 名だたる賞が連続して授与された。

これらの結果、Sクラス ハイブリッド ロングの10・15モード燃費は、純ガソリン車のS350(8.6km/リットル)より約30%優れる11.2km/リットル。これは何とC250CGIやE250CGIに匹敵する数値だ。また輸入車では初めて自動車取得税・重量税が減免される「エコカー減税対象車」となったほか、ハイブリッド車でもあるためそれらは100%減免となっている。

価格は1405万円。ライバルは言うまでもなくレクサスのLS600h/600hL(1000万〜1550万円)だが、Sクラス ハイブリッドは輸入車ながらレクサスに引けを取らないコスト競争力を持っていることは確かだ。

《丹羽圭@DAYS》

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