【アウディ・エコドライビング】エコランは“我慢すること”ではなく、“無駄をなくすこと”

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アウディ ドライビング エクスペリエンスでインストラクターマスターを務める元ラリーストの田部雅彦氏
アウディ ドライビング エクスペリエンスでインストラクターマスターを務める元ラリーストの田部雅彦氏 全 16 枚 拡大写真

「走る楽しみを捨てる必要はない」

「エコドライブはとても知的な行為なんです。クルマのエネルギーマネジメントの知識をしっかり持って、正しい状況判断と正しい運転操作をする。これは、実はレーシングドライブとまったく同じなんですね。もし私が現役でラリー競技をやっていた頃にこういう科学的ドライビングを知る機会があったら、多分もっと速く走れたと思います」

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省エネ運転法をマスターするアウディ・エコドライビングをはじめ、サーキットランから氷上運転まで多彩な運転体験プログラムを提供するアウディドライビングエクスペリエンス。そのインストラクターマスターを務める元ラリーストの田部雅彦氏は語る。

「エコドライブは、ともすればつまらない、我慢を強いられるものであると思われがちですが、実際は違う。走る楽しみを捨てる必要はないし、単にゆっくり走ればいいというものでもない。スポーティなドライビングを楽しみながら、運転から無駄をなくすことで相当の燃料を節約し、CO2の排出量を抑制できるんです」

◆多くの人にエコドライブのでテクニックを

この日、アウディ・エコドライビングに参加したドライバーは、講習を受ける前の1回目のドライブに対し、講習後の2回目のドライブでは大幅に燃費を伸ばした。が、平均車速は1回目と2回目でほとんど変わらず、ドライバーによっては車速が上がっているのに燃費を大幅に伸ばしたケースもあった。エコランに大切なのは、我慢することではなく、無駄をなくすことなのである。

もちろん、こうした講習は無料ではなく、代金を支払う必要がある。また、1回に受講できるドライバーの数も限られている。が、ガソリンの消費量を抑えるためには、できるだけ多くの人にそのテクニックを伝える必要がある。

「そう、エコドライブのテクニックは、できるだけ多くのオーナーさんに伝えていきたいと思っています。そこで今やっているのは、セールス担当者にエコドライブを体験してもらうということ。たとえば営業マンが納車時にお客様が乗り込んださい、『あ、ちょっと待ってください。運転操作をしやすい正しいドライビングポジションを取れば、燃費が違ってきますよ』とか、お客様がエンジンをかけようとしたときに『あ、ベルトを締めてカーナビをセットして、準備が出来てからエンジンをかけると数百メートル分のCO2が削減できるんですよ』などと、蓄積した知識をさりげなく伝えることができるようになる」

「もちろんそれはお客様によっては余計なことと思われるケースもあるかもしれませんが、正しい知識であれば、そうであっても心に残る。そして燃費は、客観的な数字がちゃんと出る。そういう姿勢でオーナーに接することは、アウディがプレミアムブランドとして進化するうえでも必要なことだと思うんです」

クルマのエコ化は、ハードウェアの側だけでは限界がある。トヨタ「プリウス」やホンダ『インサイト』のように、クルマのエンジンや変速機の情報を積極的にドライバーに伝えるようなインターフェースが増えたのも、ドライバーになるべくいい運転をしてもらうためだ。が、クルマの情報をきちんと分析し、エコドライブにつなげられるかどうかは、結局ドライバーのクルマに対する造詣の深さにゆだねられる。アウディ・エコドライビングは、フェイス・トゥ・フェイスでエコドライビング技術が伝承されるという点で、意義深いものであると言えよう。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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