『ゴルフ』の実用性の高さを損なうことなくスポーティドライビングを楽しむという“GTI”のコンセプトは、6代目でも輝きを失っていない。
シャシーはキャリーオーバーだが、エンジンは燃費と排ガスに優れたものにアップデート。トランスミッションは6速マニュアルと6速「DSG」。他のフォルクスワーゲンがまだ備えていないXDS(電子制御デファレンシャルロック)とDCCによるシャシーコントロールが6代目GTIを際立たせている。
XDSの効能は大きく、中高速コーナーでペースを上げると、ニュートラルで精密なハンドリングを備えているところが体感できる。XDSは、GTIのドライビングを大きくアップデートさせている。
同様に、 DCC(アダプティブシャシーコントロール)も、先代GTIからのアドバンテージのひとつ。ナチュラルでキメが細かく、絶妙。状況に応じてダンパー特性を変化させ、挙動変化を小さくする。荒れた路面での安定感の高さも抜群。スポーツカー要らずの万能車。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
金子浩久|モータリングライター
1961年、東京生まれ。主な著書に、『10年10万キロストーリー 1 - 4』 『セナと日本人』『地球自動車旅行』『ニッポン・ミニ・ストーリー』『レクサスのジレンマ』『力説自動車』(共著)など。