メルセデスベンツUSAは16日、全米でメルセデスベンツ『Mクラス』のガソリンハイブリッド仕様、『ML450ハイブリッド』の販売を開始する。米国ではリース販売のみとなり、月々のリース料金は549ドル(約4万9000円)からとなる。
ML450ハイブリッドは2009年4月のニューヨークモーターショーで初公開。ダイムラー、GM、BMWの3社が共同開発した「2モードハイブリッド」を搭載している。
2モードハイブリッドは、2個の小型モーター、3つのプラネタリーギア、4つのクラッチで構成。プラネタリーギアによって、低速域と高速域で2種類のモーターを使い分けるシステムだ。速度域に合わせて最適なモーターを駆動することで、燃費と走行性能を両立させている。
2個のモーターは、それぞれ83ps/23.9kgm、80ps/26.5kgmのスペック。エンジンは3.5リットルV6ガソリンをアトキンソンサイクル化したユニットで、最大出力275ps、最大トルク35.7kgmを発生する。エンジンとモーターを合わせたトータル出力は、335ps、52.7kgmと強力。駆動方式は4WDの「4マチック」である。
2次電池は蓄電容量2.4kWhのニッケル水素バッテリーで、荷室フロア下に配置。アイドリングストップ機能や回生ブレーキも装備された。これらの結果、ML450ハイブリッドは0 - 96km/h加速7.8秒、最高速210km/hのパフォーマンスと、米国EPA(環境保護局)燃費で市街地8.93km/リットル、高速10.2km/リットルという燃費性能を両立。排出ガス性能は米国のSULEV基準に適合する。燃費は5.5リットルV8を積む「ML550」比で、約46%改善させた。
また、ML450ハイブリッドはセンターコンソールのスイッチで、E(エコノミー)とS(スポーツ)の2種類のモードが切り替え可能。スロットルレスポンスや変速タイミングが変化する。Eモードでは、最大約2.9kmを最高55km/hの速度でゼロエミッション走行できる。
米国でのML450ハイブリッドは、リース方式のみで販売。リース料金は3年契約の場合で、月々659ドル(約5万9000円)、5年契約の場合で月々549ドル(約4万9000円)だ。
メルセデスベンツUSAは、「ニッケル水素バッテリーの供給量に限りがあるため」と、リース販売方式のみとなった理由を説明。BMWも米国へ『X6アクティブハイブリッド』を投入したが、こちらは通常の販売方式とリースの2方式。両車の販売競争の行方が注目される。