BMW 5シリーズ 新型、世界初公開

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BMWは23日、新型『5シリーズセダン』を発表した。6代目となる新型は、BMWの企業精神、「エフィシエントダイナミクス」(より少ないエネルギーで、より高い性能を)にいっそうの磨きをかけ、世界のミディアムスポーツサルーンの新基準を標榜する。

新型のデザインテーマは、「スポーティ&エレガント」。前後オーバーハングは短く切り詰めダイナミックさを強調し、ルーフラインはクーペのような流麗さを追求。フロントマスクは『7シリーズ』と共通イメージで、新世代のBMWを印象づける。

ボディサイズは全長4899×全幅1860×全高1464mm、ホイールベース2968mm。現行型と比較すると、44mm長く、15mm幅広く、6mm背が低い。ホイールベースは78mmも伸びており、BMWによるとクラス最長を実現しているという。

しかし、5月に発表した新型車「5シリーズGT」(グランツーリスモ。全長4998×全幅1901×全高1559mm、ホイールベース3070mm)との比較では、新型5シリーズセダンがひと回り小さい。これはBMWが運動性能を重視した結果とも受け取れる。

エンジンはガソリン4、ディーゼル3の合計7ユニット。トランスミッションは6速MTが基本で、「550i」は8速ATが標準。550i以外の全車に、8速ATをオプション設定した。排出ガス性能は、全エンジンがユーロ5に適合する。

ガソリンのトップユニットが、550iの直噴4.4リットルV8ツインターボ。最大出力407ps、最大トルク61.2kgmを引き出し、0-100km/h加速5秒、最高速250km/h(リミッター作動)の実力だ。

「535i」は直噴3.0リットル直6ツインターボ。高精度ダイレクトインジェクションと「バルブトロニック」の組み合わせにより、306psの最大出力と40.8kgmの最大トルクを発揮する。0-100km/h加速は6秒、最高速は250km/h(リミッター作動)である。

「528i」と「523i」は直噴3.0リットル直6の希薄燃焼(リーンバーン)エンジンを搭載。スペックは528iが258ps/31.6kgm、523iが204ps/27.5kgmとなる。欧州複合モード燃費は528iが12.8km/リットル、523iが13.1km/リットルと良好だ。

ディーゼルの注目ユニットは、「520d」用の直噴2.0リットル直4ターボ(184ps、38.7kgm)。このユニットは最新世代のコモンレールシステム採用やアイドリングストップ追加など大幅改良を受け、欧州複合モード燃費20km/リットル、CO2排出量132g/kmと、クラストップレベルの環境性能を達成した。8速ATも選択でき、BMWは「4気筒エンジンと8速ATの組み合わせは世界初」と説明する。

「530d」と「525d」は、直噴3.0リットル直6ターボを搭載。スペックは530dが245ps/55.1kgm、525dが204ps/45.9kgm。欧州複合モード燃費は530dが15.87km/リットル、525dが16.13km/リットル、CO2排出量は530dが162g/km、525dが161g/kmとなる。

530dの8速AT車には、「BMWブルーパフォーマンス」仕様も設定。これはNOx除去触媒コンバーターを追加した仕様で、排出ガス性能はシリーズで唯一、ユーロ6基準をクリアする。

BMW独自の「エフィシエントダイナミクス」も進化。全車にブレーキエネルギー回生システム、オンデマンド制御の補器類、シフトアップインジケーター(6速MT)、エアフラップアクティブコントロールなどを採用して、燃費性能を引き上げる。ボンネット、フロントフェンダーに加えて、新型はドアもアルミ化。BMWによると、ドアのアルミ化だけでも23kgの軽量化に貢献しているという。

ハンドリングに関しては、前後重量バランスをほぼ50対50にまとめるとともに、クラス初の電動パワーステアリングを採用。535i、525d、520dの6速MT車には、スーパーカーと同様のドライサンプオイル潤滑システムを導入する。また、オプションのアクティブステアリングは後輪のステア機能を加えた「インテグラルアクティブステアリング」に進化。電子制御モーターが前後輪の舵角とステアリングアシスト機能を連動させる。サスペンションの設定を好みに応じて変えられる「ダイナミックドライビングコントロール」も用意される。

室内はドライバー重視の空間。ニールームは現行比で13mm拡大し、快適性が向上した。4世代目となる「iドライブ」には、短縮ボタンとお気に入りボタンを追加。モニターも大型化されている。後席は40対60の分割可倒式で、トランク容量は520リットル(VDA計測法)を確保した。

「BMWコネクテッドドライブ」は、ナビゲーションやインターネット接続などのテレマティクス機能に加え、緊急通報システム、レーン逸脱警告、ナイトビジョン、アクティブクルーズコントロールなど、安全面の強化が図られている。

新型5シリーズセダンは、7シリーズや5シリーズGTとともに、ドイツ南部のディンゴルフィング工場で生産。欧州では2010年春、販売がスタートする予定だ。累計生産台数555万台以上というBMWのミドルレンジが、再び大きな進化を遂げた。

《森脇稔》

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