フォードモーターは30日、米国向け『マスタング』の2011年モデルを発表した。4.0リットルV6を新開発3.7リットルV6に変更。排気量を縮小しながら、旧4.0リットルよりも92psもパワフルな305psを獲得する。
完全新設計のエンジンは、ヘッドを従来のOHC12バルブに代えて、DOHC24バルブ化。さらに可変バルブタイミング機構の「Ti-VCT」を採用した。これにより、最大出力305ps、最大トルク38.7kgmを発生。旧4.0リットル(213ps、33.1kgm)よりも排気量は300cc少ないが、最大出力は92ps、最大トルクは5.6kgm向上した。フォードによると、コールドエアインダクションやデュアルエグゾーストなどの効果により、7000rpmのレッドゾーンまでスムーズに吹けあがるという。
燃費の改善もニュース。新開発6速MT&6速ATや、新電動パワーステアリング導入の効果もあり、燃費は最大25%アップ。とくに6速AT車のEPA(米国環境保護局)予想高速燃費は、12.75km/リットルとクラストップ水準をマークする。
足回りはダンパーのチューニングやスプリングレートを見直すとともに、リアに強化スタビライザーや新設計のロワコントロールアームを追加。ハンドリングの向上を狙った。
内外装は昨年、大幅なマイナーチェンジを実施した現行2010年モデルを踏襲。ただし、フロントやリア、アンダーフロアの小改良で、エアロダイナミクス性能を高めている。
マスタングの2011年モデルは、12月2日に開幕するロサンゼルスモーターショーで正式発表。新V6エンジンの最大出力は「GT」シリーズの4.6リットルV8(319ps)に迫る数値だけに、フォードはV8搭載車に関しても、何らかの改良を施してくると思われる。