【フェアレディZ バージョンNISMO 試乗】乗りこなしてみろ…萩原秀輝

試乗記 国産車
フェアレディZ バージョンニスモ
フェアレディZ バージョンニスモ 全 6 枚 拡大写真

日産『フェアレディZ』は、世界一の販売実績を誇るスポーツカーだ。だからといって万人向けを狙っているわけではない。とはいうものの、日常的な場面での使用も考慮している。ただ、それでは満足できない人もいるはずだ。そんな期待に応えるように、日産の特別仕様車などを手がけるオーテックジャパンが企画開発したのが今回紹介する「バージョンNISMO」だ。

外観は、空気の力でボディを路面に押さえつけるダウンフォースを発生するエアロパーツで武装。内装には、体をシッカリ支える専用シートを装備。3.7リッターのV型6気筒エンジンは、専用の制御コンピュータと排気系などを採用することなどにより、標準仕様と比べて19ps上乗せされ最高出力355psを発揮。サスペンションもバージョンNISMO用に専用開発されている。

6速MTを1速に入れ重めのクラッチをつないで走り始めると、低回転域でもアクセル操作に対して敏感な反応を示すことに驚かされる。一般のクルマであれば「ギクシャク感がある」といった評価になりかねない。だが、バージョンNISMOは本格的な走りを追求したスポーツカーなのだ。むしろ、クルマから「乗りこなしてみろ!」と挑まれているようで自ずと気持ちが引き締まる。

アクセルを踏み込むと、エンジンは7500回転まで一気に吹き上がる。そして、シフトアップ繰り返すたびに室内は猛々しいエンジン音で満たされる。その刺激が、加速の迫力を増幅する。サスペンションは、クルマに興味がない同乗者に申しわけがないほど硬めな設定となる。

バージョンNISMOは、静かさや乗り心地のしなやかさといった快適性とは無縁のクルマである。だが、本格的な走りを追求する代償として納得できる人にとっては間違いなく高い満足度が得られる正真正銘のスポーツカーなのだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★

萩原秀輝|モータージャーナリスト、AJAJ理事
在学中よりレポーターとして活動。同時期からツーリングカー・レースに参戦。連続入賞や優勝の経験がある。そうした経験を生かし「クルマの走り」と「ドライビングの理論」について深い洞察力を持つ。自動車メーカーなど主催の安全運転教育インストラクターの経験も多数。とくに、日本に初めて実践型安全運転教育を導入した輸入車系のスクールでは、受講者が累計で1万人を越えた。

《萩原秀輝》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. 水平対向8気筒エンジン搭載バイクは世界唯一、中国長城汽車の「SOUO」ブランドが発表
  2. 6年ぶりビッグネーム復活!? 新開発のV12エンジンが搭載されるフラッグシップGTとは
  3. トヨタ『シエンタ』対応の「車中泊キット」一般販売開始
  4. VWの小型ミニバン『キャディ』、改良新型を生産開始…5月末ドイツ発売へ
  5. MINI ハッチバック 新型の頂点「JCW」、今秋デビューへ…プロトタイプの写真を公開
  6. スズキ スーパーキャリイ 特別仕様は“For Your Work Buddy”…デザイナーの思いとは?
  7. BMWの新型車、ティザー…実車は5月24日発表へ
  8. 「トゥクトゥク通学」学生の問題意識から生まれたレンタルサービス、実証試験を開始
  9. KGモーターズ、超小型モビリティの車名を『mibot』と発表
  10. 【メルセデスベンツ EQA 新型試乗】“EQ感”がより増した、シリーズ最小モデル…島崎七生人
ランキングをもっと見る