アルファロメオ取得にVWが興味?

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アルファロメオをフォルクスワーゲン(VW)グループが取得するのではないか?---との憶測が飛び出した。

英『ファイナンシャル・タイムズ』が10日、自動車産業アナリストのコメントとして報じたもの。それによると、VWのフェルディナント・ピエヒ元会長がアルファロメオの取得に興味を示しているという。

アルファロメオは、戦前の1933年から公営産業復興公社(IRI)の管理下にあったが、1986年にフィアット・グループが買収した。当時イタリア進出を目論んだフォードによるアルファロメオ買収を、フィアットが阻止したかたちだった。

1990年代からはフィアット車およびランチア車との車台・部品共用化によるコストダウンを進めながらも、プレミアムブランドとしての方向性を強く打ち出してきた。

2005年には、当時のアルファロメオ部門の責任者だったカールハインツ・カルプフェルが、4 - 5年以内の世界目標年間販売台数を30万台に設定した。しかし、2009年の販売台数は目標の半分以下である12万5000台にとどまる見込みで、達成には程遠い状況にある。

フィアットは今回のVWのアルファロメオ取得報道を否定しているというが、こうした背景から、フィアット・グループがブランド戦略の再構築を迫られていることは確かであろう。ちなみに、カルプフェルも含め今日までにアルファロメオの責任者は、いずれも公式発表では「円満退社」になっているものの3回交代している。

仮にアルファロメオをVWグループが取得すると、同グループが保有もしくは関係するブランドとしては、12番目となる。

フィアットのブランド再構築に関しては、イタリアの経済紙が4日に「欧州の主要市場でランチアを廃止する可能性がある」と報じたばかり。

今回の一連の報道に関し、筆者のインタビューに答えたイタリア人自動車コレクター(35歳)は、「アルファロメオといいランチアといい、往年のプレスティッジあるブランドを廃止する傍らで、アバルト復活に力を入れる最近のフィアットの意図がよくわからない」と戸惑いを隠さない。

いっぽう、1970年代から家族でアルファロメオを乗り継ぎ、今はVW車に乗っている女性(63歳)も、「アルファロメオは、イタリアニッシモ(イタリアらしさ満点)なブランド。もし報道が本当だとしたら、その判断は正しくない」と憤りながらも、「アルファロメオのようなグランツーリスモは、今日特に必要性を感じない」として、アルファロメオに戻る意思はないことを示した。

2010年はアルファロメオにとって創立100年の記念すべき年だが、場合によっては波乱の年となりそうだ。

《大矢アキオ Akio Lorenzo OYA》

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