【トヨタ SAI 試乗】HS250hよりソフト…松田秀士

試乗記 国産車
SAI
SAI 全 6 枚 拡大写真

ボディを共用するレクサス『HS250h』に比べるとソフトなサスペンション特性だといえるだろう。

『SAI』には18インチと16インチ仕様があり、18インチはその外径の大きさのため前輪の切れ角が小さくなり最小回転半径が16インチの5.2mに対して5.6mとなっている。実用性からいうと圧倒的に16インチモデルに軍配が上がるのだが、高速及びハンドリング重視のドライバーには18インチモデルの完成度の高さをお伝えする。

まず、速度に関係なく直進時のステアリングの座りがしっかりとしている。ただし、60km/h以下の速度域ではタイヤからボディーへの入力に対してガサツな感覚を覚えるだろう。この点においてはHS250hの方が素直だ。

しかし、SAIの18インチモデルは特に80km/hを越えた速度域で卓越したハンドリング特性を持っている。ステアリングを切り始めてフロントにヨーモーメントが発生し、フロントサスペンションがロールして旋回が始まるまでのプロセスがとても自然にスポーティーなのだ。この部分において16インチモデルは若干遅れ気味だ。ただし、両モデルのEPS(電動パワーステアリング)の特性は変更していないというから、これはタイヤの差による特性だろう。

また、16インチモデルのアルミホイールはデザインを無視して徹底的に軽量化を実現している。そのため空力を考え樹脂製のカバーが取り付けられている。ちょっとF1マシンみたい。トランクのリヤエンドをロウ付けして直角のプレスラインを出すなど(国産初)、軽量化とリサイクルに真剣に取り組んでいる。非常に完成度が高いクルマである。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア・居住性:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★

松田秀士|レーシングドライバー/モータージャーナリスト/僧侶
スローエイジングという独自の健康法で53歳の現役レーシングドライバー! SUPER GTをランボルギーニ『ガヤルド』で戦っている。INDY500 など海外レース経験も豊富で、確かな知識と国際感覚でクルマの評価を行う。2009-2010日本カーオブザイヤー選考委員。

《松田秀士》

松田秀士

成仏する直前まで元気でクルマを運転できる自分でいたい。「お浄土までぶっ飛ばせ!」をモットーに、スローエイジングという独自の健康法を実践する。これまでにINDY500に4度出場し、ルマンを含む世界4大24時間レース全てに出場経験を持つ。メカニズムにも強く、レースカーのセットアップや一般車の解析などを得意とする。専門誌等への寄稿文は分かりやすさと臨場感を伝えることを心がけている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 車検NGの落とし穴!? シート交換で絶対に知っておくべき新ルール~カスタムHOW TO~
  2. トヨタの大型ピックアップトラックの逆輸入に期待? 新型発表に日本のファンも熱視線
  3. 次期BMW『X5』の車内を激写! メーターパネル廃止、全く新しいパノラミックiDriveディスプレイを搭載
  4. ホンダ『CB1000F SE コンセプト』を世界初披露! カウルが付いてネオレトロ感アップ、MSショーからの変更点もチェック!
  5. 自動車購入の落とし穴! 公取協・公取委の警告から学ぶ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
ランキングをもっと見る