【トヨタ iQ 130G 試乗】日本市場にマッチしてない…神尾寿

試乗記 国産車
iQ 130G
iQ 130G 全 4 枚 拡大写真

前世紀の悪しき風習である「大きい=偉い」を覆すべく登場した『iQ』。心意気は気高かったが、日本では人々の意識だけでなく、税制や利用環境の壁にも阻まれ、やはり苦戦している。

【画像全4枚】

そのような中、投入された「iQ 130G」は、ベーシックグレードの弱点であった3気筒・1リットルエンジンを変更し、4気筒・1.3リットルエンジンに改めたもの。その他、細かな仕様変更も施され、iQをさらに洗練させたものだ。

さて、その乗り心地はというと、正直かなりよい。1気筒・300ccの追加だが、それによって静粛性が増し、高速巡航時にゆとりが生まれた。iQのシャーシ自体は「都市間移動もこなせるポテンシャル」を持っていたが、130Gのエンジン追加によって、それが現実的なものになったといえる。実際、筆者は都市間高速を60kmほど試乗したが、非力さを感じることなく流れに乗って巡航できた。これなら高速道路料金1000円化の恩恵を受けて、ロングドライブも十分に楽しめそうだ。

持ち前の小回りのよさ、軽量ボディによる軽快感、超ミニサイズながらワイドボディの安定感などの魅力も健在。パーソナルムーバーとしての完成度は高く、その先進的なコンセプトは高く評価できると思う。

しかし、iQの完成度が上がるほどに残念なのが、このクルマが日本市場にマッチしてないことだ。日本にはいびつな税制優遇や規制で守られた軽自動車カテゴリーがあり、一方で、駐車場料金や道路環境など利用時にコンパクトカーが有利になる局面が少ない。とりわけ駐車場の高い都市部では、"普通車と同じ(高額な)維持費でiQを所有する"という志の高いユーザーは、まだまだ少数派。iQが持つ小さなクルマの底力を最大限に発揮できる環境がないのだ。

トヨタはもっとクルマの利用環境のカイゼンに目を向けて、自動車メーカーの枠組みから一歩踏みだすビジネスに取り組んでほしい。そう切に思うのである。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★

神尾寿|通信・ITSジャーナリスト
IT専門誌契約ライター、大手携帯電話会社へのデータ通信ビジネスのコンサルタントなどを経て、1999年にジャーナリストとして独立。著書は「自動車ITS革命」など。専門は通信とITSビジネス。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

《神尾寿》

ピックアップ

レスポンス公式TikTok

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 純正オーディオのまま高音質化できる?「パワーアンプ内蔵DSP」が定番となった理由[カー用音響機材・チョイスの極意…DSP編]
  2. 「これ、フルモデルチェンジじゃん…」レクサス『NX』の“一部改良”にSNSも驚き、大胆イメチェンに「最高にキマってる」の声
  3. 【レスポンス読者限定】 日産『エクストレイル』を公道で体感! 特別な試乗会にご招待!9/12(土)開催
  4. トヨタ『プロボックス』25年目にフルモデルチェンジか…8月のスクープ記事ベスト5
  5. “令和のデートカー”は夜にも映える…ホンダ『プレリュード 2027 リミテッドエディション』発売[詳細画像]
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 居眠り・脇見を監視、「DMS」を義務化…乗用車は2031年から、バス・トラックではすでに普及
  2. 電動車は誰が最後まで面倒を見るのか…KPMGコンサルティング プリンシパル 轟木光 氏[インタビュー]
  3. ホンダの交換式電池、建設現場で実証…高さ385mの「トーチタワー」
  4. 交通空白の解消へ、交通コンサルティング事業を開始…西鉄とネクスト・モビリティ
  5. マクラーレン、2028年市販の新型スーパーカーをプレビュー…伝説の「マクラーレンF1」以来のMT搭載
ランキングをもっと見る