【デトロイトモーターショー10】明日開幕 ビッグ3復活なるか、日欧メーカーの動向は

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開幕前日
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11日、デトロイトモーターショーのプレスデーがスタートする。今年の注目は、なんと言ってもここデトロイトを拠点とするビッグ3(デトロイト3)が、それぞれの復活をいかに印象づけるかだろう。

特にGMとクライスラーはチャプター11(連邦破産法第11条)の申請に伴ってトップが交代。GMはCEOがリック・ワゴナー氏からエドワード・ウィッテーカー氏に、クライスラーはロバート・ナルデリ氏からセルジオ・マルキオーネ氏(フィアットグループCEOと兼任)へとそれぞれ代わった。残念ながらクライスラーのプレスカンファレンスはキャンセルされたが、両社が復活へのヴィジョンをどう描くのか、見どころだ。

またビッグ3唯一の生き残りとして堅調な経営を維持しているフォードモーターは、ハイブリッド車をはじめとする新型車攻勢でその存在感をアピールするとともに、『SYNC』に代表される新世代テレマティクスサービスなどを打ち出して、日欧メーカーに負けない先進性や技術力を強調するだろう。とく米国内では、リーマンショック前から銀行団に融資を受けて経済危機を乗り切ったアラン・ムラーリ氏は“先見の明あるリーダー”として賞賛されており、その手腕が改めて高く評価されている。

一方の日本メーカーはビッグ3ほどの販売台数減はないものの、いずれのメーカーも北米市場頼りの経営構造・ラインナップ展開ゆえに減らした台数以上の収益的な打撃を受けた。このデトロイトショーでは、北米事業を改めて仕切り直し、日本メーカーのお家芸である経済性や品質面といったいわば原点に立ち返った商品訴求が見込まれる。

欧州メーカーは、メルセデスベンツ、BMWといったプレミアムブランドが苦戦中の一方で、VWグループの攻勢が始まりつつある。テネシーでの新工場建設など積極的な設備投資によって北米での販売を18年までに100万台規模に引き上げる計画があり、トヨタなど日系メーカーの最大のライバルとなるだろう。また、クライスラーと資本提携をしたフィアットグループは、2011年にフィアット『500』の現地生産開始とエンジン工場の設立がアナウンスされたが、500以外のモデルについても具体的な投入予定が明らかにされるか、注目したいところだ。

また、経済危機にあってほぼ唯一販売台数を伸ばしたヒュンダイの力も侮れない。価格競争力に優れるコンパクトカー勢に加えて、2009年には『ジェネシス』で高級車市場に打って出た。サムスンやLGなど、テレビや携帯電話など家電分野では高いブランドイメージを得ていることも、韓国メーカーの追い風となっている。

この他、『Electric Avenue』と名付けられた電気自動車展示コーナーも設けられており、ここに中国のBYDや韓国のCT&T、一般フロア展示にはブースを出さない三菱や日産も車両を展示する予定だ。

プレスデーは11日・12日、特別招待日が13日・14日、チャリティプレビューが15日、そして一般公開日が16日から24日までとなる。

《北島友和》

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