東京オートサロンが17日閉幕。終了時間が迫ったトヨタブースには豊田章男社長が登場し、コンパニオンや参加ゲストがステージに一同整列、来場者を対象とした抽選会を開くなど最後までブースを盛り上げた。
今回の東京オートサロンは、例年参加していた国内メーカー、三菱、マツダ、ダイハツ、スズキは、参加を見合わせるなど依然として厳しい経済環境を現していた。
そんななか、トヨタは今回のオートサロンで、外装や内装、走行性能などを特別仕様にするスポーツコンバージョン車のブランド「G's」(G Sports)の立ち上げを発表した。その内容は、ベース車両の生産ラインで、シートやサスペンションといった専用部品を取り付けるなど架装を前提とした生産対応を行うことにより、カスタマイズにかかるコストを下げるといったものだ。
ブースには、コンセプトモデル10台を含め計19台を展示。従来カスタマイズメーカーに任せていた市場に、トヨタ自ら参入していこうという強い意気込みとともに、社長就任以来「走りの味」「クルマの楽しさ」を口にする豊田社長の思いが徐々にその姿を現しているのかもしれない。
「走りの味」「クルマの楽しさ」という言葉は、裏を返すとクルマが「移動のためのハコ」になってしまうことへの危機感といえる。G'sブランドの立ち上げなど、こういった取り組みが、成熟した市場において新たな需要創出につながるのか、今後の展開が気になるところだ。