【東京オートサロン10】GT-R 用NISMOクラブスポーツパッケージ開発秘話

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GT-R 用NISMOクラブスポーツパッケージ開発秘話トークショーの様子。「フェアレディZ」などが並ぶメインステージ前で行われた
GT-R 用NISMOクラブスポーツパッケージ開発秘話トークショーの様子。「フェアレディZ」などが並ぶメインステージ前で行われた 全 12 枚 拡大写真

NISMOがレーシングテクノロジーをフィードバックさせて開発した、日産『GT-R』用のパーツ「クラブスポーツパッケージ」。その開発を担当する、トップドライバーとしても知られる影山正美選手と、NISMO商品開発部ジェネラルマネジャーの岡村潤平氏が、東京オートサロンの初日に日産ブースでトークショーを行った。

クラブスポーツパッケージ装着車の位置付けは、ノーマルのGT-R(開発サイドでは基準車と呼ぶ)と「Spec V」の中間に当たる。仙台ハイランドサーキットで基準車より1秒ほど速いタイムを出せるレベルである一方、Spec Vよりは日常寄りという具合だ。

ビルシュタイン社製専用ショックアブソーバー、専用コイルスプリング、レイズ社製アルミ鍛造ワンピースホイール(純正品よりF1本−1.6kg、R1本−1.4kg)、ブリヂストン社製専用ランフラットタイヤ「ポテンザRE070R」(F:255/10 ZRF20、R:285/35 ZRF20)、レカロ社製NISMOロゴ入りカーボンバケットシート(純正品より1脚−6kg)、NISMOロゴ入り専用チタンマフラー(純正品より1脚−5kg)が含まれており、トータルで535万5000円という価格が設定されている。

GT-Rそのものの開発ドライバーのひとりとしてドイツ・ニュルブルクリンクサーキットも走ってきた影山選手は、現在もNISMOの開発ドライバーとして、GT-Rを担当。

影山選手は、「タイヤとサスに関してはものすごいテストをこなしましたね。普通は、ここまでの開発をしないというぐらい走りました」と語る。特に、専用タイヤ「ポテンザRE070R」はアフターマーケット用としてはGT-Rでは初となることから、その開発にはかなりの時間を要したようだ。しかし、当の本人は「基準車より速い性能を持たせるのは大変でしたけど、開発ドライバーは自分しかいないので、今も楽しんでやっています」とも語っている。

一方の岡村氏も、基準車が従来のNISMOのS-tuneのレベルにあるため、そこから性能を上げることは非常に大変だったとする。クラブスポーツパッケージは従来のR-tuneに当たるのだが、その性能を実現するため、日産のスタッフと共同で、しかもSpec Vと一緒に開発したという。「あまりにも基準車の性能が高いので、日産に目一杯協力してもらいました」と語る。

クラブスポーツパッケージとは異なるが、NISMOが近日発売を予定して開発中のサーキット走行用オプションのことも話題に。GT-Rの2010年モデルはUSBが使えるようになっているので、MFDデータロガーキットBASEをセットすると、ドライビングデータをダウンロードできるようになる。

そのほか同オプションとしては、MFDラップセンサーキット TypeM(マグネットセンサー一式)およびTypeB(Beansコンポーネント式)、空冷式リヤデフオイルクーラーが近日発売予定。さらに、2010年モデル用のスポーツリセッティング 専用ECM&TCMも開発中だ。

最後に影山選手は、「値段はしますが、クラブスポーツパッケージは別次元の走りを味わえるので、ぜひ装着してサーキット走行を楽しんでほしいです」とし、岡村氏は「NISMOは2010年、GT-R用のパーツをどんどん出していきますので、楽しみにしていてください」としてトークショーは終了となった。

《デイビー日高》

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