フェラーリは15日、2009年度の決算内容を発表した。高級スポーツカー市場は世界で平均35%縮小する中、販売台数は前年比5%減の6250台と、同社過去最高の業績となった2008年から微減にとどめた。
2009年連結ベースの売上高は17億7800万ユーロで前年比7%減となった。営業利益は2億4500万ユーロ(前年度3億4100万ユーロ)で売上高利益率(ROS)は13.8%だった。営業利益については、2008年に好調だった販売台数とプロダクトミックスの影響に加え、販売通貨の3割を占める米ドルの弱さも大きな打撃となった。
一方、急速な市場縮小による影響でフェラーリの市場シェアは世界で平均10%拡大、スポーツカーセグメントで首位となった。これには、新型クーペ・カブリオレの『カリフォルニア』の成功が大きく、顧客の6割がフェラーリ車の新規購入者だったとしている。次年度は新型車『458イタリア』の販売が大きく影響してくると見られる。
地域別の販売台数は、最大の市場である北米が落ち込み前年比200台減の1467台となった。欧州全体では6%減の2752台、うち欧州最重要市場としているイタリアでは655台、ドイツで644台を販売した。
新興市場での販売が好調で、特に中東では29%増となる471台を販売した。アジアパシフィック地域全体でも3%増の1117台を販売、うち確実な潜在顧客層が見込まれる中国では206台を販売した。日本は世界トップ5市場の座を堅持し、総販売台数の8%、500台を記録したとしている。
ルカ・ディ・モンテゼーモロ会長は「困難な経済状況でも、このような業績を達成できたことは、全従業員の高い資質と熱意、そして革新性と独自性を重視した戦略が功を奏したという証明。2010年に向けた指標にもなるだろう」としながらも「2010年は非常に厳しい年となる。回復の兆しが見え始めるのは来年の秋以降だろう」と語った。