メルセデスAMG、571psツインターボ開発…アイドリングストップで燃費25%向上

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S63AMGプロトタイプ
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メルセデスベンツの高性能車開発部門、AMGは新開発の直噴5.5リットルV型8気筒ツインターボエンジンを発表した。最大出力571ps、最大トルク91.8kgmという圧倒的パワーを備えながら、アイドリングストップなどにより、燃費は25%改善。『S63AMG』に搭載されて、9月にデビューを飾る。

新V型8気筒エンジンは、現行AMG車の「63シリーズ」に広く採用されている6208cc・V型8気筒NAエンジンの後継機種として開発された。M157型と呼ばれるスプレーガイデッド方式の直噴エンジンは、排気量が5461cc。2個のターボチャージャーを備えるとともに、ピエゾインジェクターやAMG初のアイドリングストップなどによって、環境性能を追求した。エンジンはオールアルミ製で、単体重量は204kgに抑えられる。

新エンジンは、S63AMG(排気量は5.5リットルだが、性能は現行S63AMGを上回るため、グレード名は不変)に先行搭載されるが、その最大出力は544ps/5500rpm、最大トルクは81.6kgm/2000 - 4500rpmとパワフルそのもの。現行S63比で、19ps、17.4kgmパワーアップしている。

トランスミッションは、7速2ペダルMTの「AMGスピードシフトMCT-7」。新しいS63AMGは、0-100km/h加速4.5秒、最高速250km/h(リミッター作動)という一級のパフォーマンスを発揮する。それでいて、欧州複合モード燃費は9.52km/リットル、CO2排出量246g/kmと、現行S63比でそれぞれ25%、28.5%の改善を果たした。

AMGはさらなる高性能を求める顧客に向けて、「AMGパフォーマンスパッケージ」を用意。ターボのブースト圧を1.0バールから1.3バールに引き上げるなどの専用チューンを受け、最大出力は571ps/5500rpm、最大トルクは91.8kgm/2500 - 3750rpmと、圧倒的スペックを獲得する。571psの最大出力はフラッグシップスポーツ、『SLS AMG』と同数値だ。

AMGパフォーマンスパッケージ仕様のS63AMGは、0 - 100km/h加速4.4秒、最高速300km/h(リミッター作動)と、スーパーカーの領域に足を踏み入れる。それでいて、欧州複合モード燃費は9.52km/リットル、CO2排出量246g/kmと、標準エンジンと同一だ。

新エンジンは従来どおり、AMGの「one man ,one engine」の思想に従って、ひとりのエンジニアが完成までの全工程を担当する。

AMGは、S63AMGのプロトタイプを披露。赤いボディカラーは、1971年にベルギーで開催された24時間耐久レース、「スパ・フランコルシャン」で、初出場ながら2位という快挙を成し遂げた『300SEL 6.8AMG』のオマージュだ。同車の活躍によって、メルセデスベンツのチューナー、AMGの名前は一気に広まった。

新エンジンはS63AMGに先行搭載され、9月に欧州発売。AMGは「AMGパフォーマンス2015」と題して、動力性能と環境性能の両立をさらに追求していく姿勢を鮮明にしている。

《森脇稔》

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