【ジュネーブモーターショー10】フィアット、パンダの30周年をひっそりとお祝い

自動車 ニューモデル モーターショー
フィアット パンダ 30周年
フィアット パンダ 30周年 全 8 枚 拡大写真

フィアットのスモールカー『パンダ』が2010年で登場30周年を迎える。ジュネーブショーのフィアットブースでは、これを記念してパンダの成り立ちを記念した映像が流され、現行の「4×4」モデルが1台展示された。

初代パンダの登場は1980年。当時オイルショック以降の経済的打撃から不振に陥っていたフィアットは、『nuova 500』(チンクエチェント)の後継モデル『126』に代わる新しいスモールカーの開発をイタルデザインのジョルジェット・ジウジアーロに委託。ジウジアーロはボディデザインだけでなく、生産現場での工程作業の簡便化なども考慮して、平面ガラスの採用や緻密なチリ合わせが必要としないようなスタイルを考案した。

コンパクトボディにすぐれた居住性・積載性をもち、イタリア車ならではの快活な走りを得たパンダはnuova 500を超える大ヒットを記録。400万台以上を売り上げた。

2003年には現行モデルの2代目にスイッチ。SUVルックのトールスタイルへとスタイリングは軌道修正された。発表予定の車名(『ジンゴ』)が他メーカーの同クラス車種に酷似しているとの指摘を受けるなど、登場に至る経緯は紆余曲折あったものの、フタを開けてみればこちらも大ヒット。2003年の欧州カーオブザイヤーを獲得、その後イタリアの新車販売ランキングでは常に首位前後をキープしており、また他のEU諸国でも堅調な売れ行きを示し、2010年3月まで同一車種としてはフィアット史上最大となる累計600万台を販売した。また、現行モデルは『500』のベースモデルともなっている。

フィアットの屋台骨を支えつづけてきたパンダは、初代・2代目と個性こそ違えど実用車に徹してきた。フィアットブランドの象徴でもありキャラクターの立つ500の登場後は、パンダは“安くて小さいベーシックカー”としての位置づけがより明確になったといえる。

フィアットに対してこれだけの貢献をしてきたパンダではあるが、ショーでの特別な祝い事や記念モデルなどの登場はなし。30周年記念の展示車も一般的な市販モデルでそれもブースの奥にひっそりと置かれたのみだ。この地味な扱いが逆に“パンダらしさ”を象徴しているとも言える。

《北島友和》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 三菱『パジェロ』7年ぶり日本復活か!? 日産 パトロール 派生モデルの可能性も
  2. その名の通り1000馬力! 新型スーパーカー『ブラバス1000』発表、AMG GTのPHEVをさらに強化
  3. 待望の新型スズキ『GSX-R1000R』が予告なしの初公開!「3色3様」往年のレーシングカラーで日本市場復活へ
  4. メルセデスベンツの主力SUV『GLC』、新型を9月に世界初公開へ
  5. 日産『エクストレイル』米国版が2026年型に、新グレード「ダークアーマー」設定
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
ランキングをもっと見る