BMW 5シリーズ 新型にツーリング発表…スポーツワゴンの新基準

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5シリーズツーリング新型
5シリーズツーリング新型 全 13 枚 拡大写真

BMWは13日、新型『5シリーズツーリング』を発表した。

4代目となる新型は、BMWの企業精神、「エフィシエントダイナミクス」(より少ないエネルギーで、より高い性能を)にいっそうの磨きをかけ、運動性能と環境性能を両立。ラゲッジスペースの使い勝手も、引き上げられている。

新型は、昨年11月に発表された『5シリーズセダン』がベース。フロントからBピラーまではセダンと共通で、Bピラーから後方をツーリング専用設計とした。テールランプはセダンと共通イメージでまとめられ、スポーティ&エレガントなステーションワゴンフォルムが表現された。

ボディサイズは、全長4907×全幅1860×全高1462mm、ホイールベース2968mm。新型5シリーズセダン(全長4899×全幅1860×全高1464mm、ホイールベース2968mm)と比較すると、全長は8mmだけ伸ばされている。BMWによると、セダンと共通の2968mmのホイールベースは、クラス最長だという。

昨年5月に発表された新型車『5シリーズGT(グランツーリスモ)』(全長4998×全幅1901×全高1559mm、ホイールベース3070mm)との比較では、新型5シリーズツーリングは、ひと回り小さい。

ラゲッジルームは、さらに使いやすさを向上。リアゲートは、ルーフ側に開閉ヒンジを組み込むことで、ワイドな開口部を実現した。後席シートバックは、セダンでは40対60の2分割式だが、ツーリングでは40対20対40の3分割式を採用。シートバックは7段階、最大11度のリクライニングが可能だ。

荷室容量は、リアシートが通常状態で560リットル(VDA計測法)。後席を倒すと最大1670リットルへ拡大する。リアゲートの開閉に連動して自動的に巻き取られるトノカバー、積載量に関係なく車高を一定に保つセルフレベリング機能付きのリアエアサスペンションは、ツーリング専用装備。最大積載量は650kgとした。従来どおり、ガラスハッチだけの開閉も可能だ。

エンジンはガソリン2、ディーゼル2の合計4ユニット。セダンに設定されるV型8気筒ガソリンは、ツーリングには用意されていない。トランスミッションは6速MTと8速ATの2種類。排出ガス性能は、全エンジンがユーロ5に適合する。

BMW独自の「エフィシエントダイナミクス」思想も導入されており、全車にブレーキエネルギー回生システム、オンデマンド制御のエアコンコンプレッサー、低転がり抵抗タイヤ、シフトアップインジケーター(6速MT車)などが採用された。

ガソリンの「523i」は、直噴3.0リットル直列6気筒の希薄燃焼(リーンバーン)エンジンを搭載。スペックは204ps/6100rpm、27.5kgm/1500 - 4250rpmとなる。0-100km/h加速は8.2 - 8.4秒、最高速は227 - 231km/h、欧州複合モード燃費は12.66 - 12.82km/リットル、CO2排出量は182 - 185g/kmだ。

ガソリンの「535i」は、直噴3.0リットル直列6気筒シングルターボ(ツインスクロールタイプ)。高精度ダイレクトインジェクションと「バルブトロニック」の組み合わせにより、306ps/5800rpmの最大出力と40.8kgm/1200 - 5000rpmの最大トルクを引き出す。0-100km/h加速は6 - 6.1秒、最高速は250km/h(リミッター作動)の実力だ。欧州複合モード燃費は11.63 - 11.76km/リットル、CO2排出量は197 - 201g/kmとなる。

ディーゼルは、「520d」が直噴2.0リットル直列4気筒ターボ(184ps/4000rpm、38.7kgm/1750‐2750rpm)。このユニットは最新世代のコモンレールインジェクションを採用。6速MTにはアイドリングストップ機能を組み込んだ。欧州複合モード燃費は18.87 - 19.23km/リットル、CO2排出量は137 - 139g/kmとクラストップレベル。0-100km/h加速は8.3秒、最高速は220 - 222km/hだ。

「530d」は、直噴3.0リットル直列6気筒ターボを搭載。スペックは245ps/4000rpm、55.1kgm/1750 - 3000rpm。トルクフルなディーゼルは、0-100km/h加速は6.4秒、最高速は241 - 243km/hの実力。それでいて、欧州複合モード燃費は15.62 - 15.87km/リットル、CO2排出量は165 - 169g/kmと環境性能も高い。

530dの6速MT車には、「BMWブルーパフォーマンス」仕様も設定。これはNOx除去触媒コンバーターを追加した仕様で、排出ガス性能はシリーズで唯一、2014年に欧州で導入予定のユーロ6基準をクリアする。

ハンドリングに関しては、前後重量バランスをほぼ50対50にまとめるとともに、クラス初の電動パワーステアリングを採用。535iと520dの6速MT車には、スーパーカーと同様のドライサンプオイル潤滑システムを導入する。また、オプションのアクティブステアリングは後輪のステア機能を加えた「インテグラルアクティブステアリング」に進化。電子制御モーターが前後輪の舵角とステアリングアシスト機能を連動させる。サスペンションの設定を好みに応じて変えられる「ドライビングダイナミックコントロール」も用意された。

4世代目となる「iドライブ」には、短縮ボタンとお気に入りボタンを追加し、モニターも大型化。「BMWコネクテッドドライブ」は、ナビゲーションやインターネット接続などのテレマティクス機能に加え、緊急通報システム、レーン逸脱警告、ナイトビジョン、アクティブクルーズコントロールなど、安全面の強化が図られている。

新型5シリーズツーリングは、4月9日に開幕するライプツィヒモーターショーで正式発表。『7シリーズ』や5シリーズGTとともに、ドイツ南部のディンゴルフィング工場で生産され、欧州では9月、販売がスタートする。

《森脇稔》

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