アウディ ルマン車、パワーダウンに空力性能アップで対処

モータースポーツ/エンタメ モータースポーツ
R15TDI 2010年モデル
R15TDI 2010年モデル 全 2 枚 拡大写真

アウディは15日、ルマン24時間耐久レースの最高峰、LMP1クラスに参戦する「R15TDI」を発表した。レギュレーション変更によるパワーダウンを、エアロダイナミクス性能の向上によって補う戦略だ。

アウディは1999年、3.6リットルV型8気筒ツインターボ(625ps)を積む「R8」でルマンに参戦。2000 - 05年の6年間に、5度の勝利を手にした。06年からはエンジンをディーゼルに変更。5.5リットルV12ツインターボディーゼル「TDI」(700ps)搭載の「R10TDI」を投入し、06 - 08年、3年連続でタイトルを獲得している。

R15TDIは09年、R10TDIの後継マシンとして開発された。R10のV型12気筒よりも小型軽量で、燃費やCO2排出量を削減した5.5リットルV型10気筒ターボディーゼルを搭載。最大出力は600ps以上、最大トルクは107kgm以上というスペックだ。マシンのデザインも一新されており、F1マシンのようなフロントノーズや新デザインのリアウイングなどを装備。LEDヘッドランプも採用された。

ルマン24時間主催者は昨年11月、LMP1クラスのディーゼル搭載車を対象に、新レギュレーションを発表。その内容は、エアリストリクターの小径化と、過給器のブースト圧低減だ。これによりR15TDIは、最大出力が590psと09年マシン比で10ps以上ダウンする。レース本番まで約半年しかない状況でのレギュレーション改訂は、アウディやプジョーのディーゼル勢には、厳しいものだった。

しかしアウディは、エアロダイナミクス性能の向上で、パワーダウンのハンデに挑む。とくにマシンのフロントセクションは一新され、2分割のフロントノーズを新採用。アウディによると、Cd値やダウンフォースを向上させているという。

さらに、冷却系や燃料タンクシステムも改良。昨年のルマンの経験から、とくに燃費と信頼性の向上に重点を置いて、2010年マシンは開発された。また、夜間のライト性能も引き上げられている。

すでにR15TDIの2010年マシンは、米国でのテストを開始。5月9日にベルギーで行われる「スパフランコルシャン1000km耐久」などに参戦し、実戦でのテストを重ねる。

今年のルマン24時間レースは、6月12 - 13日に開催。アウディは昨年、プジョー「908 HDi FAP」に敗れているだけに、今年は再び、ルマンの頂点を目指す。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
  2. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  3. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  4. 朝までこの恐怖に耐えられるか?…三和交通タクシーでいく心霊スポットツアー2025【夏休み】
  5. シートに座ると自動で送風開始、取り付け簡単「クールカーシート」2モデルが発売
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  5. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
ランキングをもっと見る