ホンダ ガスパワー発電機:開発の背景とターゲット市場

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エネポ、利用シーンのイメージ
エネポ、利用シーンのイメージ 全 9 枚 拡大写真

ホンダが25日発表した家庭用発電機『エネポ』(EU9iGB)は、カセットコンロ用のガスボンベを利用している。ガソリンと違って、カセット式のボンベの取り扱いの容易さが製品のポイントという。

ホンダがガスパワー発電機開発を決めた背景と、ホンダが考えるガスパワー発電機のターゲット市場はどこにあるのか。

ホンダは、汎用エンジン製品のひとつとして、2009年3月にガスパワー耕うん機『ピアンタ』の販売を開始している。これがガーデニングや家庭菜園の愛好者にヒットしたということもあるが、これ以外にアウトドアレジャーやオートキャンプなどを楽しむアクティブシニア層に向けた商品開発という戦略があるようだ。

また、1995年の阪神・淡路大震災以降、カセットコンロの普及が拡大したことなど、現在でも災害対策や非常用機器の需要も根強いこともある。

発電機市場全体を見たときも、工事や業務用がメインとなる1000W以上の発電機は、不況により市場が減少し続けているのに対し、家庭用がほぼ半数(42%)を占める1000W以下の発電機の市場は横ばいを続けている。ホンダは、小型発電機の市場は、不況の影響が小さい市場として注目している。

ホンダが、小型発電機について市場調査を行ったところ、不満要因の第1位に「移動・保管のしにくさ」、第2位が「騒音」、第3位が「燃料の保管と補給」であるという結果を得た。とくに、この上位3位で全体の90%以上を占めていた。つまり、これらを克服すれば、家庭用発電機の新しい市場が広がる可能性があるとホンダは見たわけだ。

ホンダでは、これらの不満点を改善するため、発電機にガソリンエンジンではない、ガスパワーエンジンを採用した。ガソリンはガソリンスタンドに携行缶を持ってゆき購入しなければならず、保管も面倒であり、保管する量によっては法的な規制も受ける。ガスボンベなら、家庭内でも物置などに普通にストックできる。移動については、ホイールつきバッグのように引きずることができるキャリーハンドルとホイールを取り付けたデザインとした。従量は20kg弱と軽くはないが、ホイールで転がせば移動は楽になる。

カセットコンロのガスボンベは、発電機の動作時間で考えるとガソリンよりランニングコストが極端に安くはないが、使用頻度がそれほど高くない家庭での利用を考えると、保管や操作性の面で、ボンベ式のガスパワーに軍配があがるだろう。

これがエネポに見るホンダの主張というわけだ。

《中尾真二》

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