26日夜、山梨県甲府市内の県道で、道路を横断中の高齢女性がクルマにはねられて死亡する事故が起きた。警察は翌27日に62歳の女を逮捕したが、この女は事故直後に同僚の運転免許証を示し、本人になりすましていた。
山梨県警・甲府署によると、事故が起きたのは26日の午後7時40分ごろ。甲府市下飯田3丁目(N35.39.26.5/E138.33.14.3)の県道で、近くに住む85歳の女性が道路を横断していたところ、左方向から進行してきたワゴン車にはねられた。
女性は近くの病院に収容されたが、全身を強打したことが原因で翌27日朝に死亡。運転していた女は免許証と連絡先を提示し、逃走の恐れもないことから事故直後の簡易聴取を行ったのみで帰宅させた。
警察は翌27日に現場検証を行うため、女に出頭を要請するために電話を掛けたところ、応対した人物は「事故なんて起こしていない」と話した。前夜に接遇した同署員が連絡先住所を訪問し、免許証の名義人を確認したところ別人と判明。しかし、会社の同じ寮に住む62歳の女が容姿が事故を起こした運転者と酷似していたために問い詰めたところ、なりすましを認めたことから自動車運転過失致死と道路交通法違反(無免許運転)容疑で逮捕している。
現場は片側1車線。調べに対して逮捕された女は「無免許運転を隠蔽する目的で他人の免許証を出した」、「相手が死ぬとは思わず、ごまかせると思った」などと供述しているようだ。
免許名義人の女性は免許証の紛失再発行を受けていたが、女が所持していたのは紛失前の免許証だった。2人の容姿はあまり似ていなかったが、事故発生時間帯が夜間ということもあり、接遇した警官が顔の違いに気づかなかったとみられる。
警察では女がクルマを運転するため、女性の免許証を盗んだ疑いがあるとみて、窃盗容疑でも追及する方針だ。