三菱重工業は、液化天然ガス(LNG)の洋上浮体式生産・貯蔵・積出設備(FPSO)を拡販するため、FPSO保有・運航大手のBWオフショア社と提携することで基本合意した。
世界初のLNG-FPSO建造に向け、三菱重工が培った造船技術、海洋構造物関係のノウハウとBWオフショア社が多数のFPSO保有・運航を通じて蓄積した経験を組み合わせ、世界市場で競争力のある提案を展開する。
今回の合意では、今後具体化するLNG年間生産能力200万t程度のLNG-FPSOの計画に対し、三菱重工が船体・貯蔵タンクを担当、BWオフショア社が前処理装置・液化設備・タレット(係留装置)を担当する。この両社で開発したLNG-FPSOをベースに共同で受注を目指す。
LNGの生産は、CO2排出量が少ないエネルギーとして期待されており、陸地から遠い海底ガス田や規模が小さいために未開発だった中小海底ガス田に移行している。これに伴って移設が可能で長大なパイプラインが不要なLNG-FPSOへの関心が高まっており、豪州やインドネシア、ブラジルほかの海域で、LNG-FPSOを使ったガス田開発が計画・検討されている。三菱重工はBWオフショア社との協業することで両社の強みを生かし、LNG-FPSOの提案活動を加速する。